Blackmagic Pocket Cinema Cameraとは

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    NABでBlackmagic Design(以下BMD)から発表されたもうひとつのカメラがこのBlackmagic Pocket Cinema Camera(以下、同じく勝手にBMPCCとします)です。
    これは正直、全く予想できませんでした。
    恐らく、ほとんどの方が驚かれたのではないでしょうか。

    概要ですが、
    ・Super16mmサイズイメージセンサー
    ・マイクロフォーサーズレンズ交換式
    ・13stopsのダイナミックレンジ
    ・DNG RAWとProRes422の記録フォーマット
    ・1080HD記録
    ・記録メディアはSDカード
    ・3.5"LCD
    ・交換可能なリチウムイオンバッテリー
    ・ステレオマイクロフォン内蔵
    ・マグネシウムボディ
    ・355g

    と言ったところです。

    さて、このカメラ、どのようなターゲットユーザーを想定しているのでしょうか?
    BMDもこの点をアピールしたいようで、サイトでは多様なシチュエーションでの撮影を紹介しています。

    Blackmagic Pocket Cinema Camera is everything you need to bring cinematic film look shooting to the most difficult and remote locations, perfect for documentaries, independent films, photo journalism, music festivals, ENG, protest marches and even war zones.

    ドキュメンタリー、自主制作映画、報道写真、ミュージックフェスティバル、ENG、抗議デモ、そして紛争地域での取材など、(今までの機材では)簡単ではなかった取材とか、遠く離れた地域での撮影を可能にするというようなことが書かれています。

    今まででも小型の機材は存在していましたが、これをフィルムルックで撮れるところがミソというわけですね。
    映画と言えば、いつもスタジオやコンディションが整ったセットで撮っているイメージがありますが、ドキュメンタリー映画では、現実に起こっていることを撮影するので、いつも良いコンディションで取れるわけではなく、機材の小型軽量化は大きなメリットになります。

    Imagine shooting a documentary, episodic television production, television commercial or independent film in the true quality of digital film.

    シネマカメラというと、テレビ局は少し遠いユーザーというイメージがありましたが、オンエア用の番組へも浸透させていこうという意気込みが感じられます。

    そして、特に強調したい(ようにみえる)のが、記録映画に代表されるような史実の撮影をフィルムルックで、というメッセージです。

    With its extremely compact size, you can covertly shoot important and historic events such as wars, protests and other conflict in cinema quality



    確かに、シネマカメラは画質優先で、大きくても重くても、そんなの関係なしという考え方の機材が主流でしたが、全く違った方向から考えられたシネマカメラとして、BMPCCはエポックメーキングなカメラとなるでしょう。

    そして、更に使い方の提案は続きます。

    Blackmagic Pocket Cinema Camera’s affordable price, size and image quality make it perfect for use as a crash cam.

    いわゆるクラッシュカムというやつで、壊れたり捨てたりする前提でカメラを使うというものです。
    衝突させるクルマなどに仕込んでおいて、衝突の瞬間を撮ったりしますが、カメラ自体も壊れる可能性があり、記録済みのメディアさえ回収できればOKです。

    あるいは、エベレストの登頂記録や、未開のジャングルの撮影で、帰りはカメラを捨ててきて、メディアだけ持ち帰るという使い方もあります。
    そのためにはもちろん廉価なことが条件で、10万円そこそこの値段は、十分条件に合うでしょう。

    Blackmagic Pocket Cinema Camera is a true revolution in how you can shoot digital cinema!

    デジタルシネマの撮り方の革命だというのも、まんざらオーバーな表現ではない気がします。

    そして、使い方提案はまだまだ続きます。

    There are lots of shooting scenarios where you need to position a camera in a small space, whether that’s due to physical lack of space or a desire to keep the camera small and perhaps hidden completely.

    大きなカメラではとても入れないようなスペースや、場合によってはカメラを隠して撮影したい場合は多々ありますが、そのような要求にも持って来いです。
    また、LANC端子が付いているので、リモコンもできます、とありますが、それならワイヤレスリモコンがあれば完璧だったのですが。。



    しかしこのカメラ、写真で見るだけで確かなことは分かりませんが、メカの完成度は大変高そうで、何かモノとして欲しくなるような雰囲気ですね。
    メニューのデザインもすごく洗練されていて、美しさを感じます。
    早く手にとって見たいものです。

    ブラックマジックの4Kカメラ〜その他の機能

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      さて、この”ブラックマジック プロダクションカメラ4K”(以下勝手にBMPC4Kと呼びます)ですが、一気に4Kへのハードルを下げてしまいました。
      個人レベルのクリエーターでも、まるで5DMK3を買うのと同じような感覚で4Kカメラを買うことができるのです。

      REDもSCARLETは当初これくらいの価格を予定していました。
      それは2/3"撮像素子を持ち、固定レンズでしたが、その後商品として正式に発表されたものはsuper35mm撮像素子を持ち、レンズ交換可能な現在のスタイルでした。
      結局$4,000よりずっと高い価格で発表、発売された経緯がありますが、このBMPC4Kにより、REDも対策を考える必要が出てきたのではないでしょうか。

      4K対応でこのBMPC4Kに近いカメラと言えば、キヤノンのEOS1DCとSCARLET-Xですので、この3機種を比べて見ましょう。



      *SCARLET-Xの価格にはBRAINとSIDE SSD(スロット)とSIDE HANDLEが含まれます。

      こうしてみてみると、これら3機種のコンセプトの違いが分かります。(こうしてみなくても分かるかもしれませんが。。)

      まずBMPC4Kですが、このカメラの優位性はなんと言っても40万円で買える4Kカメラ、という位置付けでしょう。
      しかも、ちゃんと!Super35mmセンサーを採用、グローバルシャッターというサプライズも付いています。
      記録もきちっとRAWとProResです。
      安価ながら、スペック的には手を抜いていない4Kカメラです。
      注意点としては4K最大解像度が3840x2160ということです。
      これは別にDisadvantageではなく、ターゲットマーケットを考えた上での仕様と思いますが、フル4K(4096x2160)が必要なユーザーは知っておくべきでしょう。
      そして、BMPC4Kが他の2機種と全く異なる点が、静止画は撮れないことです。
      他の2機種は方向が異なりながらも、静止画も意識した4K動画カメラというベクトルは同じです。
      しかし、BMPC4Kは静止画ユーザーを対象にしていません。

      次にEOS-1DCですが、このカメラは静止画側から動画に来たもので、静止画機能は完璧です。
      従来の静止画撮影のスタイルを重視するなら、このカメラが最適です。
      更に、3機種中唯一、使用している撮像素子は35mmフルサイズで、静止画撮影時とHD撮影時は35mmフルサイズカメラとして使用できます。
      また、1DXのボディをそのまま流用していることにより、3機種中では最も小型軽量ですので、機動性は申し分ありません。
      一方、4K動画時は撮像素子をAPS-Hサイズで切り出して使いますので、画角は静止画やHDに比べ1.3倍テレ側にシフトしてしまいます。
      また、4K記録時のフレームレートは24pしかサポートしていませんので、PAL圏用に25pで撮るとか、30pで撮るとかはできません。

      最後にSCARLET-Xですが、このカメラの立ち位置は、各フレームレートに対応したフル4K動画と静止画が撮れるカメラ、といったところでしょうか。
      BMPC4Kのように圧倒的に安価でもなく、1DCのように圧倒的に小型軽量でもなく、圧倒的な他の2機種に無い機能を持っている訳ではありません。
      5Kで撮れる、と言ってもまっとうな動画は撮れない訳ですから。
      また、静止画も撮れるといえども、まだまだ完成の域に達しているとは言えないでしょう。

      こうしてみると、この2機種はSCARLET-Xの好敵手になると思われます。
      上記のスペック比較からだけで言うと、静止画も撮れて、4K/30p(あるいは25p)動画が撮れるというのがSCARLET-Xのウリになります。

      まあ、そうは言っても、まだBMPC4Kの画質がどんなものか分からない訳ですし、その他のいろいろな要素も選択理由になりますので、上記比較だけで優劣が決まるわけではありません。


      最後にBMPC4Kの気になる点と要望を書いておきます。

      まず、これはよく言われていることのようですが、どこを持てばよいのか分からない、という点。
      確かにデザインはシンプルでよいのですが、あまりにつるんとしていて、まさにとらえどころがありません。
      私もBMCCを持ってみたのですが、思わず下から支えました。
      実際のシューティングスタイルでは、リグなどをつけるのでしょうが、できるだけ何も付けたくないカメラマンもいます。
      せめて気の利いたハンドルをつけてもらえると嬉しいですね。

      もう一点は、ボタンが無く、操作は全てタッチスクリーンだと言う点。
      これもデザイン的にはすっきりするのですが、やはりメカのボタンは欲しいところです。
      5個ぐらい自由にアサインできるボタンがあれば、格段に操作性が向上すると思います。

      最後の点は、バッテリーです。
      BMCCもそうでしたが、バッテリーははめ殺しで交換することができません。
      内蔵バッテリーは約90分持つそうですが、このバッテリーが無くなったら、撮影も終了。
      って訳には行かないので、外部バッテリーが必要になります。

      もしリムーバブルバッテリーなら、バッテリーを交換して撮影中に、空になったバッテリーを充電しておくことができるわけで、時間を無駄にすることがありません。

      あと、願わくば、モニターを可動式にしてくれると、撮影姿勢が楽になるのですが。。
      キヤノンも高級カメラではかたくなに固定式を守っていますが、やはり可動式の楽さは大きいですね。

      ブラックマジックの4Kカメラ〜記録フォーマットとメディア

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        今回は”ブラックマジック プロダクションカメラ4K”の記録フォーマットと記録メディアを見てみましょう。

        発表では、4KファイルはProRes422とCinemaDNG(RAW)で記録できると書かれています。
        ProResはRAWと違って、カメラでプロセスを行った後圧縮する記録フォーマットです。
        SCARLET-XなどREDのカメラのようにRAWだけにすればプロセス回路が必要ないのですが、ProResまで付けることによって、Final Cut Pro(以下FCP)ユーザーへのアピールを考えたものと思われます。

        記事中には
        ”In addition to the regular CinemaDNG RAW format, Blackmagic Design will also implement a QuickTime wrapper for the open standard CinemaDNG ”
        とあります。

        これはCinemaDNGでは、.mxfファイルか.movファイルかを選択できるということと考えられます。
        .mxfファイルは業界スタンダードフォーマットですが、大手はともかく個人レベルのクリエーターでは扱いにくい場合があります。
        しかし.mov(QuickTimeラッパー)なら、民生用レベルのノンリニア編集ソフトでも扱えます。
        カメラ本体の価格が安くても、ワークフローで金がかかる、ということが無いようにとの配慮でしょうね。

        なお、SCARLET-Xのように記録レートが選べるのかどうか、記述がありません。
        ProRes422と同じくらい(880Mbps/30fps)のレートだとすると、REDCODEで言うところの1/4圧縮くらいです。
        1/8くらいの圧縮率も選べたら使い易かったかもしれません。

        一方、ProRes422/4Kに関しては、本格的な後処理が前提になります。
        記録レートは880Mbpsと書かれていますが、このレートではワークステーションレベルのPCでも、かなり荷が重いと思われます。
        従って、ハイエンドの機材か、オフライン処理をするワークフローが求められますので、小規模ユーザーには向かないかもしれません。

        なお、RAWでもオリジナルファイルは大きいのですが、解像度を落として再生するという芸当ができますので、Corei7程度のPCでも再生することができます。

        RAW一本に割り切ったREDと考え方の違いがあって興味深いところです。

        記録フレームレートは3840 x 2160の場合、23.98p/24p/25p/29.97p/30pから選択できます。
        23.98pと24p、29.97pと30pが別に用意されているところは、こだわりですね。

        次に記録メディアですが、”ブラックマジック プロダクションカメラ4K”はSCARLET-X同様、SSDを採用していますが、サイズはSCARLET-XのREDMAGが1.8"に対し、こちらは2.5"です。
        また、SSDは自前のものは用意していないようで、市販のサードパーティー製を使うとのことです。


        しかし何せ880Mbpsを1フレームも落とすことなく記録しなければならないので、性能のしっかりしたSSDを選ぶ必要があります。
        30分程度の記録をするためには256GBのものが必要で、価格は約10万円程度です。
        それでもREDのSSD、REDMAG1.8"と比べると半額ですから、やはり安く上がることには違いないですね。

        再生は、Thunderboltで直結すれば、SSDは高速なのですぐ編集作業に入れるとあります。
        確かにそうですが、やはりオリジナルのメディアを直接編集するのは気が引けますし、素材が多ければ、どうしてもHDD RAIDにバックアップします。
        よって、高速のRAIDストレージが必要になります。

        4Kカメラが40万円ちょっとで手に入るのは衝撃ですが、4Kワークフローまで含めて考える必要がありそうです。

        ブラックマジックデザインの4Kカメラ〜センサーとマウント

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           流れから見て、多分発表されるのではないかと言われていた、ブラックマジックデザイン社の4Kカメラが、NAB2013で予想通り発表されました。
          しかも期待通り$4,000です。!





          しかも、しかも、誰も予想していなかった、”ポケットシネマカメラ”と名づけられた4Kのコンパクトカメラも発表されました。!
          NAB2013の最大のワオ!ですね。
          それにしても、ブースの大きさと言い、徹底した低価格、いや、ハイコストパフォーマンス戦略といい、最近のブラックマジックデザインは飛ぶ鳥を落とす勢いです。


          では、4Kのシネマカメラから見てみましょう。




          これは”ブラックマジック プロダクションカメラ4K”という商品名になっています。
          今までの2.5Kのカメラが”ブラックマジック シネマカメラ”という名前で巷では”BMCC”と略されていますが、今度は”BMPC4K”みたいな感じなのでしょうか。

          まあ、それは良いとして、単に”シネマカメラ4K”としないで、”プロダクションカメラ4K”としたのは、シネマにこだわらない、もっと汎用の4Kカメラ、というのがコンセプトなのかな、と思っていたら、記録フォーマットは3840x2160(いわゆるQFHD)で、シネマで用いられる4096x2160はサポートされていないことから来ているようです。
          (QFHDについては、当ブログの”4Kとは?”で触れています。)

          4096x2160がサポートされていないのが悪いということではありません。
          ほとんどのユーザーが最終的にはHD(1920x1080)にダウンコンバートしてフィニッシュをすることを考えると、むしろ3840x2160はちょうど4倍で都合が良いといえるでしょうし、シネマ以外の制作環境をターゲットとしているなら、まっとうな選択と言えます。

          センサーはスーパー35mmということなので、RED SCARLET-Xと同じサイズです。
          驚きは、このイメージセンサー、グローバルシャッター機能を持つことです。!
          グローバルシャッターとは、CMOSセンサーのウイークポイントである、ローリングシャッター現象、(フォーカルプレーン現象とも言って、例の、走る電車を横から映すと、平行四辺形にひしゃげる、というアレです)を無くす技術です。

          ちなみにCCDでは、このローリングシャッター現象は原理的に発生せず、また、CMOSではフラッシュバンド(フラッシュを映すと、画面全体が白くならず、横に帯状に醜く映る現象)が発生することもあり、そのためCCDカメラを作り続けているケースもありました。
          しかし、CMOSの方が低コスト、小型化が可能なため、現在では完全にCMOSへの流れとなったのですが、ローリングシャッター現象やフラッシュバンドが、課題として残されていました。

          グローバルシャッターは、これを解決する技術なのですが、高価なため、まだ高級なカメラしか採用されていない状況でした。
          例えば、ソニーの4KカメラPMW-F55が採用していますが、こちらは300万円近くするもので、弟分のF5では採用されていませんし、SCARLET-Xでも採用されていません。
          ですので、$4,000のカメラで採用されたのが、どれほどすごいことか分かります。

          次にレンズマウントですが、キヤノンEFマウントを採用しており、これも期待通り、従来のマイクロフォーサーズからグレードアップされています。
          レンズコントロールはIRIS(AUTO IRIS含む)は可能ですが、どうやらオートフォーカスはまだできていないようです。
          以前BMDの人と話したときには、従来の2.5Kシネマカメラでは、近いうちにやると言ってましたが。。

          (つづく)

          EOS-1DC vs SCARLET-X

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            EOS-1DCとSCARLET-X、どちらにするか迷っておられる方は多いのではないでしょうか?
            何とか個人で手が届き、一人4Kができるカメラと言えば、この2機種に絞られてきます。


            EOS-1DCはEOS-1DXのボディをそのまま使用し、1DXの静止画機能もそのままにしながら、4K動画を収録できるようになっています。
            収録できる4Kフォーマットは24pのみですが、当初噂されていた120万円からかなり安い値付けがされ、100万円ちょっとの実売価格となりました。
            フルサイズセンサー機ですので、静止画とHD収録時はフルサイズで使用できますが、4K収録時はAPS-Hサイズで使用しますので、フルサイズのレンズを使用すると画角が約1.3倍テレ側にシフトします。

            一方SCARLET-Xは4K/30pまで可能で、アクセサリー込みで150万円くらいします。
            キヤノンEFマウントも選択できますので、手持ちのEFレンズが使えます。
            加えて、PLマウントやニコンマウントも用意されていますので、これらのレンズを使いたいユーザーは自由度の高い選択ができます。
            こちらはsuper35mmのセンサーですので、フルサイズ用のEFレンズでは、やはり画角が約1.3倍テレ側にシフトします。

            SCARLET-Xは静止画も撮れるのですが、いわゆる一眼レフの撮影スタイルを期待するなら、現時点では不十分と言わざるを得ないでしょう。
            現在は5K(5,120x2,700)/12Fpsで収録して、その中からフレームをピックアップする、という撮影方法です。
            従来の一眼レフのような静止画の撮影スタイルは、まだサポートされていません。

            もうひとつの両機の大きな違いは、記録方式です。
            EOS-1DCはJPEG2000で記録するのに対し、SCARLETはRAWで記録します。
            RAWで撮った映像は以前”RAW記録について(1)”で書いたように、カメラ単体で完結するものではありませんので、現像処理が必須になります。
            それに比べ、1DCではカメラ単体で完結しますので、ポストプロダクションは編集だけで、カラーグレーディング処理は必須ではありません。(Log収録をした場合は必須です)

            更に、大きさ、重さを比べると、1DCが本体(1,344g)+バッテリー(180g)で約1.5Kg。
            対してSCARLETはBRAINだけでも2Kgを超えますので、SSDサイドモジュール、5"ディスプレイ、バッテリー(本体以外重さのデータがありません)を入れると、3Kgを超えるでしょうから1DC2台分以上ということになります。
            やはりこの差は大きく、SCARLETと三脚を持つと、山道や、長い距離を歩くには、かなり堪えます。
            しかもバッテリーの持ちが短いので、スペアバッテリーを持つと、その分また重くなってしまいます。
            更に更に、できれば三脚は1DCのものより1ランク大きめのほうが望ましいので、これまた重くなります。

            ここまでの比較では、私のように風景を撮る場合には、1DCのほうが有利です。
            軽いと言うことは機動性に富みますので、その分良い被写体にめぐり合うチャンスも大きくなるかもしれません。
            ただ、私の場合は、次の理由でSCARLETを選びました。

            そのひとつは、SCARLETはRAW記録のため、後工程で好みのルックに仕上げることができること。
            もうひとつは、RAWファイルは個人のパソコンレベルでも4K編集ができること、です。

            RAWとは撮像素子から出てきた電気信号を、カメラの画作りのプロセスをせずに、そのまま記録する方法です。
            情報がそのまま残されていますので、後工程で、カメラの代わりにいかようにも画作りができるのです。
            これについては、このブログの"RAW記録について"で詳しく説明していますので、ご参考ください。
            なお、1DCもLog記録モードを持っており、これで記録すると広いダイナミックレンジが得られ、カラーグレーディングも可能です。

            もうひとつの理由、”RAWファイルはパソコンレベルで編集ができる”ということについて説明しましょう。
            REDのRAWファイルはWAVELETという圧縮技術を使っており、これは解像度を落として再生することができます。
            即ち、パソコンのパワーが不十分でも、それなりに解像度を落とせば、NLEのタイムライン上のクリップを再生することができます。
            パソコンの性能が高ければ高いほど、再生できる解像度は上がります。
            もちろんフルレートの4Kで再生していませんので、例えば1/8程度に解像度を落とすと、画はひどいものになります。
            しかし、1/4程度に落として、HDディスプレイで見る分には、カット割の編集には十分使用できる画質レベルです。
            REDが無償で提供している再生アプリのREDCINE-X PROやAdobeのPremierePro CS6では、REDのRAWファイル(R3Dファイル)に対応しており、解像度を落としてタイムラインを再生する機能があります。
            これにより、私の使っている3年前のCorei7レベルのパソコンでもPremierePro上で編集することができます。
            カーソルを停止させると、すぐさまフル解像度になりますので、カラーグレーディング時は高解像度でできます。

            これに対し、1DCはMotionJPEGという圧縮方式を使っており、これはRAWのように解像度を落として再生するという芸当ができません。
            それゆえ1DCのファイルはシングルのCorei7レベルのパソコンでは、ノンリニア編集時、タイムラインがスムースに再生できません。
            これをスムースに再生させるには、高いCPU性能を持ったパソコンとハイスピードのメディアが必要になります。

            SCARLETのRAWファイルと1DCのMotionJPEGファイルは、4K/24pの場合、共に500Mbps程度のレートで記録されていますが、ノンリニア編集過程で、ハンドリングの差が出てしまうと言うことになります。
            HDの出始めの頃も同じような状況でしたので、今後のCPUパワーの向上によって解決されていくとは思われますが、現状ではこのような状況です。

            1DCとSCARLET、どちらも魅力ある4Kカメラです。
            もちろん、それぞれ今ひとつのところも多々あります。
            しかし、4K出始めのこの時期にして、すでに2機種も個人が狙える4Kカメラが存在しているというのは、すごいことと思います。(まだまだ高価ですが。。)
            今後、その他のメーカーからも続々と一人4Kカメラが出てくることを期待したいものです。


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