RAW記録について(3)

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    今回は、個人レベルのクリエーターでもRAWが扱える、ということについて書いてみます。

    「RAWはファイルサイズが大きくて、扱いにくいのでしょ」と多くの方から言われます。
    実際、そのように思っておられる方は多いのではないでしょうか。
    では、RAWファイルはどれくらいのファイルサイズなのか、考えてみましょう。
    非圧縮の4K RAWファイルは、いろいろな要素で異なるのですが、約3Gbps程度と考えられます。
    このままでは大きすぎて、取り扱いが大変ですので圧縮します。
    RAWは非圧縮のイメージがあるかもしれませんが、そうではありません。

    REDの圧縮方式はREDCODEと呼ばれており、記録されたファイルは全てRAWデータで.R3Dという拡張子が付きます。
    REDのカメラでは記録時に圧縮率がカメラのメニューで1/3〜1/18 から選択できます。
    例えば1/3を選ぶと、記録時に作成されるファイルは約1Gbps、1/8だと370Mbps程度ということになります。
    370Gbps程度ですと、ソニーの提唱するXAVCが200Mbps程度であることを考えると、なんとなく手が届きそうです。
    ただ、心配なのは1/8の圧縮って、画質は大丈夫なのでしょうか。

    圧縮するとデジタル信号であってもオリジナル画像に対して劣化が起こります。
    しかし、1/3程度の圧縮であれば、理論的に劣化は起こらない、即ち「可逆(ロスレス)である」と言われています。
    しかし、1/8の圧縮はどうなんでしょうか。

    REDCODEについての説明がREDのサイトにあります。
    参照URLは http://www.red.com/learn/red-101/redcode-file-format です。

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    Just below 3:1 is mathematically lossless, but settings in the range of 5:1 to 8:1 are typically visually lossless and advisable for most usage scenarios. At the same resolution, these settings also require less storage space than the visually lossy ProRes 422 format. Cinematographers for major motion pictures such as The Amazing Spiderman and The Hobbit have therefore been shooting at settings near 5:1.

    3:1以下の圧縮であれば理論的には可逆であると言えるが、5:1や8:1の範囲では実質的には見た目では変わらないので、ほとんどの撮影で問題ないはずである。視覚的にも可逆とはいえないProRes422と比べてみると、同じ解像感の画を記録するなら、(REDCODEのほうが)記録メディアの容量を食わない(ファイルサイズが小さくてすむ)。アメイジングスパイダーマンやホビットといった大作映画でも、それゆえ(画質的には問題ないということで)5:1に近い設定で撮影されている。
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    実際SCARLETのデフォルト設定は1/8ですし、全く問題ない画質といえます。
    もちろん非圧縮や1/3のほうが高画質と言えますが、記録メディアの録画時間や、このファイルを処理するパソコン能力を考えると、1/5や1/8のほうが現実的といえます。
    記録時間を考えても、REDCODEで4K、1/8、24pで記録した場合、64GBのSSDに20分程度記録できることになりますので、これならなんとか実用になります。

    やはりRAWで記録するブラックマジックデザインの4Kカメラは880Mbpsと公表されていますので、このレベルのレートを使わなければいけないのか、との疑問が出てきますが、現実にSCARLET-Xを使用していてREDCODEの1/8でも特に画質の問題は無いと思います。

    では次に、370Mbps程度のレートはどの程度重いのか考えてみます。
    確かにXAVCは4K時、約200Mbpsですので、これと比べるとまだ重いと言わざるを得ません。
    例えばCorei7のMacBook Proでは、XAVCはスムースに再生できますが、REDの1/8のファイルは少しぎこちない動きになってしまいます。
    これでは折角記録できても、スムースな編集するのにワークステーションレベルのPCや専用機が必要になってしまいます。

    しかしREDCODEには、実に都合の良い機能があります。
    「解像度を落として再生できる」のです。
    ここでREDCODEと書いたのは、RAWで記録されても、アプリケーションが対応していなかったり、ファイル自体が対応した圧縮方式で無い場合は上記の機能が使えないからです。
    REDCODEはWavelteという圧縮方式を使用しています。
    これがミソです。
    再度REDのサイトを参照してみましょう。

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    This efficiency is achieved in part because wavelet compression encodes image features at different scales separately. A wavelet file therefore contains a low-resolution base image, plus progressively higher resolution components — all the way up to the final full-resolution image, which is the net combination of all these:

    Waveletは対象のイメージを異なったスケールで別々にエンコードすることにより、部分ごとに実行していく。従ってWaveletのファイルは低解像度の基本イメージと、格段に高解像度の要素を合わせ持って構成されている。そして全ての要素を使うと、フル解像度の画質となる。



    As a result, low-resolution previews can be generated without having to process the entire high-resolution file. For example, a quarter resolution preview could be generated from just the above base image plus the leftmost component. Wavelets therefore make it easier to directly view and edit large videos on desktop computers.

    結果として、高解像度の要素を全て使うことなく、低解像度のプレビューができる。例えば、上の図で言うと、1/4の解像度のプレビュー画は、ベースイメージと一番左の要素(Quarterと書かれているもの)をあわせて作り出すことができる。よって、Waveletのおかげで、(普通の)デスクトップPCでも大きなサイズのファイルを直接再生したり編集したりすることができるようになるのだ。
    (Base以外の画が黒いのは、画像ではなく、解像度の「要素」をあらわしているからです)
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    言いたいことは、まさに最後の一節です。
    パソコンが貧弱なら、そのパフォーマンスに合わせて解像度を落として再生することができるのです。
    良く見ると、REDCINE-X ProやPremiere Pro CS6(下図)では、下のようなボタンがあります。



    このボタンで解像度が選択できるようになっています。
    もちろんこれは再生時だけのことで、最終的な書き出しはフル解像度のものが使われます。
    撮影時の圧縮率も1/3とか1/8とか使っていたのでややこしいのですが、これらは圧縮率で、再生時に選択する1/4とか1/8は解像度の話です。
    ついでに説明しますと、Premiere Proでは、再生時には解像度が落ちますが、再生を停めたとたんにその位置の画がフル解像度で表示されます。
    停まっているときまで解像度を下げる必要は無いからです。
    従って、カラーグレーディングはフル解像度で行うことができるのです。
    ただし、この状態でグレーディングを行う場合、大きなファイルサイズに反映するため、モニターに結果が表示されるまでちょっとしたタイムラグがあります。

    いかがですか?
    REDCODEは低解像度のプロキシを幾つも持っているのと同じなのです。
    しかも、プロキシを作成する必要はないし、プロキシのためにメディアやストレージを割り当てる必要も無いのです。
    将来パソコンを新調したら、更に高解像度のプレビューがリアルタイムに行えます。
    その場合でも、新たにプロキシを作り直したりすることなく、元ファイルを直接読めばよいのです。

    RAWは大きい、重たいファイルというイメージがあり、大きな制作会社のユーザーでないと使えない、というイメージがありますが、そんなことはありません。
    逆に、低解像度での編集が許される個人ユーザーには、むしろ使いやすい4Kソリューションと言えます。
    もちろん、4Kファイルを書き出すにはCorei7でも20倍近い時間が必要ですし、高価なRED ROCKETを使っても半分程度にしかなりません。
    個人レベルのパソコンでは、そういった制限はありますが、逆に言えば時間さえあれば何とかなります。
    REDが何故このことを積極的に宣伝して個人クリエーターや小規模ユーザーをターゲットに導入を計らないのか、いまひとつ良く分かりませんが、是非SCARLETの下位モデルを商品化して個人ユーザーへの門戸を広げて欲しいものです。


    RAW記録について(2)

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       前回はRAW記録がプロセスを通さずに、イメージセンサーからの映像信号を(圧縮は別にして)そのまま記録することを説明しました。
      今回はRAW記録のメリットとデメリットについて書いてみます。

      まず、メリットですが、
      ・後処理で如何様にも画作りできる
      ・ダイナミックレンジを大きく記録できる
      ・撮影時、フォーカスとフレーミングに専念できる

      があげられます。
      RAWで記録すると、いわば食材を生のまま冷凍して残しておくようなものですから、後で如何様にも調理できるわけです。
      栄養やビタミンもそのまま残っています。
      これと同じで、後処理でカラーグレーディングをする場合、残された豊富な情報を使用してグレーディングすることができます。
      例えば映像信号の量子化ビット数は、XDCAMやP2といったプロセス後の映像信号で記録する場合は8bitや10bitになってしまいますが、RAWで記録する場合は12bitや16bitで記録することができます。

      次に広いダイナミックレンジで記録することができます。
      ダイナミックレンジとは、撮影するフレーム内の最も明るい部分と、最も暗い部分の差を言います。
      この差が大きいと、ダイナミックレンジが大きいシーンということになります。
      窓を通して、暗い室内と明るい室外を同じフレームに入れて撮影する場合などがこれに当たります。
      経験があると思いますが、室外に露出を合わせると室内が真っ暗になってしまいますし、室内に露出を合わせると室外が真っ白に飛んでしまいます。
      これを黒潰れとか白とびと言いますが、黒潰れや白とびは、後処理で戻ってくれません。
      ダイナミックレンジの広いカメラは、それを避ける意味で優れたカメラと言えます。
      ダイナミックレンジは通常Stops(絞り)で表します。
      普通のビデオカメラでは8Stops程度ですが、RAWだと13〜14Stopsという値になります。
      なお、RAWでなくても、Logという手法を使って大きなダイナミックレンジに対応することもできます。
      ソニーのS-LogやキヤノンのCanon Logなどが、その例です。

      LogとRAWはよく並列に比較されますが、これは正しくありません。
      Logはあくまでダイナミックレンジを広くするための手法ですが、RAWはダイナミックレンジだけではなく、ISOやディテールといった要素も、後処理で変更することができます。
      その意味ではRAWのほうがより柔軟に後処理できるわけです。

      RAWで記録する場合、カメラマンは現場でフレーミングとフォーカス、そして白とびと黒潰れが無いか、に専念していればよく、適正露出や色温度やディテールや、「ポートレート」や「風景」などのモードの選択に悩まされることはありません。
      RAWはカラーグレーディングに向いている、などと言われますが、カラーだけでなく、画創り全体に対応できるといえます。

      さて、良いことばかりではありません。
      デメリットについて考えてみましょう。

      ・後処理が必要
      ・ファイルサイズが大きい
      ・制作機材に高いパフォーマンスを求められる
      ・現場でプロセスされた画が見られない

      の点が上げられます。

      後処理が必要、というのは後処理前提の場合はもちろん問題になりませんが、時間やコストが無くて後処理はできない、という制作現場ではRAWは全く向いていません。
      従って、比較的時間やコストに余裕のある映画やCM、あるいは映像美を見せる自然モノや芸術モノには良いのですが、ニュースや制作時間に追われるドラマやドキュメンタリーといった番組には不向きです。

      次にファイルサイズですが、これは相当に大きくなります。
      例えばXDCAMは4:2:2モードで記録する場合50Mbps、P2ですとP2 Intraモードで100Mbpsといったレートです。
      4Kの場合では、例えばソニーのXAVCでは約200Mbps程度ですが、RAWで記録する場合は、例えばSCARLET-Xでは8:1のモードのときは300Mbps程度、3:1のモードのときは820Mbps程度です。
      Blackmagic Designの4Kカメラでは880Mbpsと書かれています。(いずれも24fps時)
      800Mbpsの場合、128GBの記録メディアでも20分そこそこしか記録できないことになります。

      これだけ大きいファイルを扱うわけですから、編集機材もそれなりのパフォーマンスを持ったものが要求されます。
      200Mbps程度のファイルを扱う場合は、Corei7レベルの普通よりちょっと上級のパソコンや、場合によってはMacBook Proのようなラップトップでも何とかなりますが、800Mbpsと言われると、もはやそのレベルではありません。
      ワークステーションクラスでもやっとです。

      最後に、現場でプロセスされた画が見られない、というデメリットです。
      プロセス回路を搭載していないので、モニターで見ることのできる画は、RAWのうすらぼんやりした画になってしまいます。
      しかし、実は、SCARLETやEPICには”LOOK"という設定項目があり、ここで "Saturation"、"Contrast"、Brightness"、"FLUT"、"Exposure"、"Shadow"といったパラメータが設定できるのみならず、Luma、R、G、Bそれぞれ独自の設定もできてしまいます。
      そして、この設定に即した映像がディスプレイでモニターできます。
      もちろん、これらの設定はあくまでメタデータとして保存されているわけで、実際の画はあくまで生データ(RAW)です。
      この設定値は、メタデータとしてREDCINE-X ProやPremiereProで使用できますので、これをリファレンスにグレーディングしていくもよし、全くの生映像から創り上げていくのもよし、です。
      従って、このデメリットはカメラによっては当てはまりません。

      以上、RAWのメリットとデメリットについて説明しました。
      RAWはファイルサイズが大きいし、後処理も大変なので、大手プロダクションしか使えないのではと思われたかもしれません。
      しかし、実は個人レベルのクリエーターでも、ちょっと上級のパソコンで編集やグレーディングすることもができます。
      それについては、次回解説します。

      4Kテレビで写真を観る

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         少し前の話ですが、2月7日〜10日、東京ミッドタウンでソニーが「感じる写真展」というのを開催しました。
        6,000人が来場して、ずいぶん活況だったようです。

        http://www.sony.jp/bravia/event/

        この写真展、通常と違うのは、写真をプリントではなく4Kテレビで見せたことです。
        そして4Kテレビが写真のディスプレイとして使えるということを提案したことは、興味深いことです。

        もっともテレビで写真を見ること自体は、新しいことではありません。
        デジカメの時代になって、子供の運動会や旅行写真などの写真をテレビ見たりパソコンで見たりするのは、むしろ多数派と思われます。

        しかし、考えてみるとHDのテレビというのは1920x1080=約200万画素程度しかありません。
        デジカメは、今やiPhoneでも800万画素あるので、200万画素のディスプレイでは完全に役不足です。
        そこで4Kテレビで写真を見るのはいかがですか、というのがこの写真展の提案なのでしょう。

        4Kといっても、4Kで制作されたコンテンツが潤沢に家庭に配信されるのはまだまだ先のことですし、当面はHDコンテンツを4Kにアップコンバートして見せることも多いでしょう。
        それに比較すると写真はほとんどが4K以上の解像度で撮られていますし、簡単に配信できます。
        もちろん自分で撮った写真を見るのはもっと簡単です。

        特に風景写真は効果があるでしょう。
        雄大な風景を50インチ以上の大画面で見ると、より美しさが際立ちます。
        この大きさにプリントするのは、いろいろな面で大変ですので、デジカメをつなぐだけで手軽に観賞できるのは大きなメリットでしょう。
        50インチ程度になりますと、HDと4Kでは一目で違いが分かります。
        解像度が高いと、パンフォーカスで撮った広い風景でも不思議と奥行き感が感じられます。
        この奥行き感は3D映像のそれよりも自然な感じです。

        これから4Kテレビが続々と発売されると思われますが、写真を見るというのは4Kテレビの使い方の一つのスタイルとなるのではないでしょうか。



        中国のメーカーが$1,600の4Kテレビ発売

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          中国のテレビメーカーが低価格な4Kテレビを発売すると、プロニュースさんが伝えています。

          http://www.pronews.jp/news/1305101610.html?rel=mn130517

          TCLとスカイワース(創維)という中国のメーカーがUS$1,600以下で4Kテレビを発売するとの内容です。
          4Kテレビも急速に低価格化するようですが、中国メーカーが最先端の4Kを、しかもその価格を先導するというのは隔世の感を禁じえません。

          TCLもスカイワースもあまり日本では知られていないメーカーですが、中国国内や北米では知られたメーカーです。
          TCLは1981年に創業、その後25年ほどでハイアール(海爾)に次ぐ中国の大手家電メーカーになり、急成長を遂げたメーカーです。
          下の写真は発表されたTCLのE5690という4Kテレビです。




          また、スカイワースは中国国内のテレビマーケットのシェア首位を争うメーカーです。
          このほか、ハイセンスというメーカーもあり、こちらもテレビシェア首位を争っています。

          1月に開催されたCES(Consumer Electronics Show)では、中国からハイセンスとTCLが4Kテレビを出展しました。
          ハイセンスは、65インチが$4,000ドル、55インチが$3,000、50インチが$2,000ドルとのことでしたが、TCLとスカイワースの今回の発表では、その下を行くことになります。

          日本では、東芝が55インチ、ソニーが84インチを既に発売していますが、まだまだ一般普及には程遠い存在です。
          しかし、CESで第2世代4Kテレビとでも言えるような価格を付けた新製品が東芝やシャープ、ソニーから発表されました。
          東芝は、84インチ、65インチ、58インチの3モデルを発表。1インチ1万円を目指すとしています。
          シャープは70インチの『AQUOS Ultra HD』を発表。価格は未定ですが、4Kテレビでも低価格に積極姿勢を見せている同社ですので、期待できます。
          また、ソニーも、65インチ、55インチのモデルを発表。市場推定価格は75万円と50万円とのことです。

          ただ、そうは言っても、1インチ1万円というところがターゲットになるでしょうから、中国製の16万円にはまだまだ遠く及びません。
          日本での中国製4Kテレビの発売はまだまだ先になるのでしょうが、これら中国製の4Kテレビの出現が価格低下に与える影響は大きいと思われます。

          このように4Kテレビは今後低価格化が進み、手が届きやすい価格になってくると思われますが、問題はコンテンツと伝送、あるいは配信手段です。
          放送は、韓国で既に4Kの試験放送が始まっており、日本も前倒しして2014年から試験放送の計画がありますが、本放送はまだまだ見えない状況です。
          また、やっとHDの投資を完了して、これから回収しようとしている放送局が、すぐに4K放送への投資ができるかも大きな問題です。
          配信は、HDの時のブルーレイのようなパッケージメディアが設定されていない状況ですので、安価なメディアに焼いて残しておくとか、販売することは今のところ想定されていません。

          ソニーはCESで家庭用のメディアプレーヤーを発表しました。(下の写真)
          これは、ネットを通してコンテンツを受信するものですが、このようなコンテンツ配信が主流になってくるかもしれません。



          ただ、4Kカメラに関しては、既に発売しているJVC、CESで発表したソニー、パナソニックなど、コンシューマーをターゲットにしたものをはじめ、今回ブラックマジックからも比較的安価ながら本格的な仕様を持つ4Kカメラも発表されましたので、4Kコンテンツ制作の下地は整いつつあると思われます。


          RAW記録について(1)

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            RAW記録という言葉を、最近よく耳にします。
            しかし、実際良く分からないと言う声もよく聞きますので、何回かに分けて書いてみたいと思います。

            写真の世界ではすでにおなじみで、多くのスティルカメラマンはRAWで記録しています。
            しかしビデオの世界では、これまで”ビデオ出力”、という概念で映像信号が扱われていましたので、多くのビデオカメラマンにとって、RAWはなじみが薄い記録方法でした。
            RAWがビデオの世界で表舞台に出たのは、REDがREDONEを発表してからです。

            それでは、まず、なぜRAWというのか、あたりから。

            RAWは、直訳すると「生:ナマ」ということですが、これは撮像素子から出力された電気信号を、何も加工せずに記録することからきています。
            下の図を見ていただくのが分かり易いでしょう。


            撮像素子で電気信号に変わった映像信号は、従来のビデオカメラでは、プロセスと圧縮(エンコード)を経て、メディアに記録されます。
            再生する場合は、これを伸張(デコード)し、ビデオ出力されます。

            一方、RAWのパスではプロセスがなく、そのまま圧縮されています。
            即ち、プロセスの過程があるのが従来のカメラ、無いのがRAW記録するカメラと言うことになります。

            それでは、従来のカメラが、このプロセスの部分で何をやっているかと言うと、色合いやディテールやノイズリダクションやガンマ補正など、そのカメラの持つ画質を決めているのです。

            RAW記録するカメラでは、このプロセスがありませんので、記録された画質は、最終的なものではありません。
            色調整やガンマ補正やディテールが付いていませんので、うすらぼんやりした画が記録されているだけです。

            料理に例えると、食材をそのまま保管しておくのがRAW、調味料を入れたり、焼いたり煮たりして、とりあえず食べられるようにしたのが従来のビデオといったところでしょうか。
            ”とりあえず”と書いたのは、従来のビデオでも、編集過程でカラーコレクションなどをすることがあり、カメラ出力が最終的な作品画質ではないからです。
            料理だと、お皿に盛り付けて最終形ということですね。

            従って、RAWで記録するということは、後処理前提(料理する必要がある)ということです。
            後処理で色補正やディティール付加やノイズリダクションやガンマ補正などを行いますが、これは即ち、従来のカメラではカメラがやっていたことを、RAWで記録する場合は人間がやる、ということです。
            この作業を、フィルムの処理に例えて”現像”と言われる場合があります。
            RAW記録されたものは、ネガと同じような位置付けですね。

            RAWで記録するカメラでは、従来のカメラで普通に言っていた、”このカメラの画質”という概念がありません。
            後処理で、如何様にも創ることができるからです。
            まさに、”生の食材”ですね。

            4Kとは?

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              では、いったい、4Kとは具体的に何のことでしょうか?

              4Kとは4,000を表します。
              すなわち、横方向の画素数が約4,000あることから、4Kと言われています。
              フルハイビジョンが1,920画素ですから、約2倍あるわけです。
              また、縦方向は約2,000画素。
              これもフルハイビジョンが1,080画素ですから約2倍。
              よって、面積はフルハイビジョンの約4倍になります。



              正確には、横方向に3,840画素、縦方向に2,160画素並んでいます。
              3,840はフルハイビジョンの1,920の倍、2,160は1,080の倍です。
              即ち、3,840x2,160は正確にフルハイビジョンの4倍の面積になります。
              アスペクト比もハイビジョンと同じで16:9です。

              しかし、実は4Kにはもうひとつ規格があります。
              それは、いわゆる「映画の4K」と言われるもので4,096x2,160の解像度を持ちます。
              3,840x2,160よりも少しだけ横長(1.90:1)になります。
              この規格は、デジタルシネマ用に作られた規格で、映画を撮影する場合はこちらの規格を使います。
              シネマカメラと呼ばれるカメラの場合、4,096x2,160の記録モードが装備されているのが普通です。

              一方、将来発売されるであろう民生用のハンディーカメラや、家庭用4Kテレビでは、3,840x2,160が主流になるでしょう。
              テレビの場合、現在のフルハイビジョンのパネルの切り出しを4倍すれば4Kテレビのパネルができることから、コスト面でも有利になります。

              4K放送は、当初2016年を目処に放送開始が計画されていましたが、2013年1月末に、2年前倒しして2014年7月に放送開始の目標と発表されました。
              ブラジルで行われるサッカーワールドカップ決勝トーナメントに間に合わせ、早期実用化を計ることにより、市場の活性化を狙っています。
              同時に、日本メーカーの競争力を高めることも考えられています。

              なお、NHKは更にその上を行くスーパーハイビジョンを開発中で、これは4Kの更に4倍(7680×4320)の画素数を持ちます。
              こうなると、ちょっと実現性はあるのかな?と思ってしまいますが、実はやはり2014年に試験放送が予定されています。
              3年ほど先には、もはやハイビジョンテレビも昔のテレビになっているのかもしれませんね。

              4Kが話題になり始めた!

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                皆さんは4Kという言葉を聞かれたことはありますか?
                きつい、汚い、危険、、ではありません。
                次世代のテレビの方式のことです。
                次世代って、このあいだハイビジョンになったばかりじゃん、と思った方、まったくそのとおりです。
                地デジ化されたのは2011年7月(一部を除く)ですので、まだ1年半ほどしか経ってないのです。

                しかし、技術の進歩と人間の欲求は止まりません。
                パソコンだって、スマホだって、ニューモデルが出るたびにきれいな画面になっています。
                テレビも同じです。
                ただ、テレビの場合は、方式上足並みを揃える必要があるので、目立つのですね。。

                毎年1月はじめに米国で開催される家電の見本市、コンシューマーエレクトロニクスショー(CES)が今年もラスベガスで開催されました。
                今年の最大の話題のひとつが4Kで、各メーカーがテレビやビデオカメラを出展しました。
                右はそのひとつ、ソニーの84インチ4Kテレビです。

                さて、その4Kですが、ホントにそれほどきれいなのでしょうか?
                テレビって、もうハイビジョンで十分だよ、と思っている人は結構多いと思います。
                ニュースやバラエティー番組なら、その考えに120%同意します。
                最近は大画面テレビも普通になってきましたが、おっさんの顔の大写しは勘弁してもらいたいものです。

                しかし、風景映像や映画では、やはり4Kは格段の違いを見せてくれます。
                特に50インチ以上のテレビでは、誰が見てもはっきりと違いがわかるでしょう。
                まさに、ハイビジョン以前のテレビとハイビジョン後のテレビを見ている錯覚にとらわれます。

                風景映像は4Kの真骨頂と言っても良いでしょう。
                広い風景の中の全てが、驚くほどの解像感で再現されます。
                それはまるで美しい写真を大きく引き伸ばしたような映像です。
                それが動きます。
                風になびく草花や飛び行く雲が、美しい映像で再現されます。

                少し前に話題になった3Dテレビは奥行きを無理やり出しましたが、4Kは自然な奥行き感も感じます。
                解像度が高くなると、奥行き感も出てくるのですね。

                当社は4K映像を撮影できるカメラ、RED SCARLET-Xを導入しました。
                従来の5DMK2によるフルハイビジョンと並行して、今後需要が高まると考えられる4K映像を収録してゆく予定です。
                美しい日本の四季を、4K映像に収めます。
                このブログでは、4Kについて、およびSCARLET-Xについて、徒然書いていくことにします。

                ビデオフォーシーズンズでは、美しい日本の四季映像をDVDとブルーレイディスクで発売しています。
                また、映像制作者様向けに映像素材も制作しています。
                詳しくは、以下URLからご覧ください。
                DVD/ブルーレイ : http://videofourseasons.jp/
                映像素材      : http://footages.videofourseasons.com/


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