EOS-1DC vs SCARLET-X

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    EOS-1DCとSCARLET-X、どちらにするか迷っておられる方は多いのではないでしょうか?
    何とか個人で手が届き、一人4Kができるカメラと言えば、この2機種に絞られてきます。


    EOS-1DCはEOS-1DXのボディをそのまま使用し、1DXの静止画機能もそのままにしながら、4K動画を収録できるようになっています。
    収録できる4Kフォーマットは24pのみですが、当初噂されていた120万円からかなり安い値付けがされ、100万円ちょっとの実売価格となりました。
    フルサイズセンサー機ですので、静止画とHD収録時はフルサイズで使用できますが、4K収録時はAPS-Hサイズで使用しますので、フルサイズのレンズを使用すると画角が約1.3倍テレ側にシフトします。

    一方SCARLET-Xは4K/30pまで可能で、アクセサリー込みで150万円くらいします。
    キヤノンEFマウントも選択できますので、手持ちのEFレンズが使えます。
    加えて、PLマウントやニコンマウントも用意されていますので、これらのレンズを使いたいユーザーは自由度の高い選択ができます。
    こちらはsuper35mmのセンサーですので、フルサイズ用のEFレンズでは、やはり画角が約1.3倍テレ側にシフトします。

    SCARLET-Xは静止画も撮れるのですが、いわゆる一眼レフの撮影スタイルを期待するなら、現時点では不十分と言わざるを得ないでしょう。
    現在は5K(5,120x2,700)/12Fpsで収録して、その中からフレームをピックアップする、という撮影方法です。
    従来の一眼レフのような静止画の撮影スタイルは、まだサポートされていません。

    もうひとつの両機の大きな違いは、記録方式です。
    EOS-1DCはJPEG2000で記録するのに対し、SCARLETはRAWで記録します。
    RAWで撮った映像は以前”RAW記録について(1)”で書いたように、カメラ単体で完結するものではありませんので、現像処理が必須になります。
    それに比べ、1DCではカメラ単体で完結しますので、ポストプロダクションは編集だけで、カラーグレーディング処理は必須ではありません。(Log収録をした場合は必須です)

    更に、大きさ、重さを比べると、1DCが本体(1,344g)+バッテリー(180g)で約1.5Kg。
    対してSCARLETはBRAINだけでも2Kgを超えますので、SSDサイドモジュール、5"ディスプレイ、バッテリー(本体以外重さのデータがありません)を入れると、3Kgを超えるでしょうから1DC2台分以上ということになります。
    やはりこの差は大きく、SCARLETと三脚を持つと、山道や、長い距離を歩くには、かなり堪えます。
    しかもバッテリーの持ちが短いので、スペアバッテリーを持つと、その分また重くなってしまいます。
    更に更に、できれば三脚は1DCのものより1ランク大きめのほうが望ましいので、これまた重くなります。

    ここまでの比較では、私のように風景を撮る場合には、1DCのほうが有利です。
    軽いと言うことは機動性に富みますので、その分良い被写体にめぐり合うチャンスも大きくなるかもしれません。
    ただ、私の場合は、次の理由でSCARLETを選びました。

    そのひとつは、SCARLETはRAW記録のため、後工程で好みのルックに仕上げることができること。
    もうひとつは、RAWファイルは個人のパソコンレベルでも4K編集ができること、です。

    RAWとは撮像素子から出てきた電気信号を、カメラの画作りのプロセスをせずに、そのまま記録する方法です。
    情報がそのまま残されていますので、後工程で、カメラの代わりにいかようにも画作りができるのです。
    これについては、このブログの"RAW記録について"で詳しく説明していますので、ご参考ください。
    なお、1DCもLog記録モードを持っており、これで記録すると広いダイナミックレンジが得られ、カラーグレーディングも可能です。

    もうひとつの理由、”RAWファイルはパソコンレベルで編集ができる”ということについて説明しましょう。
    REDのRAWファイルはWAVELETという圧縮技術を使っており、これは解像度を落として再生することができます。
    即ち、パソコンのパワーが不十分でも、それなりに解像度を落とせば、NLEのタイムライン上のクリップを再生することができます。
    パソコンの性能が高ければ高いほど、再生できる解像度は上がります。
    もちろんフルレートの4Kで再生していませんので、例えば1/8程度に解像度を落とすと、画はひどいものになります。
    しかし、1/4程度に落として、HDディスプレイで見る分には、カット割の編集には十分使用できる画質レベルです。
    REDが無償で提供している再生アプリのREDCINE-X PROやAdobeのPremierePro CS6では、REDのRAWファイル(R3Dファイル)に対応しており、解像度を落としてタイムラインを再生する機能があります。
    これにより、私の使っている3年前のCorei7レベルのパソコンでもPremierePro上で編集することができます。
    カーソルを停止させると、すぐさまフル解像度になりますので、カラーグレーディング時は高解像度でできます。

    これに対し、1DCはMotionJPEGという圧縮方式を使っており、これはRAWのように解像度を落として再生するという芸当ができません。
    それゆえ1DCのファイルはシングルのCorei7レベルのパソコンでは、ノンリニア編集時、タイムラインがスムースに再生できません。
    これをスムースに再生させるには、高いCPU性能を持ったパソコンとハイスピードのメディアが必要になります。

    SCARLETのRAWファイルと1DCのMotionJPEGファイルは、4K/24pの場合、共に500Mbps程度のレートで記録されていますが、ノンリニア編集過程で、ハンドリングの差が出てしまうと言うことになります。
    HDの出始めの頃も同じような状況でしたので、今後のCPUパワーの向上によって解決されていくとは思われますが、現状ではこのような状況です。

    1DCとSCARLET、どちらも魅力ある4Kカメラです。
    もちろん、それぞれ今ひとつのところも多々あります。
    しかし、4K出始めのこの時期にして、すでに2機種も個人が狙える4Kカメラが存在しているというのは、すごいことと思います。(まだまだ高価ですが。。)
    今後、その他のメーカーからも続々と一人4Kカメラが出てくることを期待したいものです。


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