4K試験放送が始まりました

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    「6月2日から4K試験放送が始まった」というニュースが流れています。
    「いよいよ4Kの本格的なスタート」という記事も見受けられますが、今回はこのあたりを考えてみたいと思います。

    まず、試験放送ですが、これは一般の放送局が放送しているものではありません。
    次世代放送推進フォーラム(略称:NexTV-F)という一般社団法人が運営している組織が、「Channel 4K」という名前のチャンネルで放送します。
    放送時間は13〜19時の1日6時間程度と発表されており、視聴は無料です。
    番組は3840x2160/60pの4K画質で、当初はNexTV-Fに加盟している放送局が4K制作したものを放送します。
    サッカーワールドカップの4K放送も検討されているそうですが、未定のようです。

    ただ、NexTV-Fのサイトを見てみると、実際に家庭で観るには結構ハードルが高いことに気が付きます。
    http://www.nextv-f.jp/information/index.html
    まず、124/128度CSデジタル放送用アンテナが必要です。
    即ち、110度CSデジタルの受信設備を持っていても見ることはできなく、124/128度CSデジタル用アンテナが必要になります。
    更に、これを視聴するため、スカパー!プレミアムサービスに加入する必要があります。

    そして、最も悩ましいのがチューナーです。
    4K放送はHEVC(High Efficiency Video Coding)という、今までのMPEGやAVCよりも高効率の圧縮方式を使っているため、今までのハードウエア(チューナー)は使えないのです。
    しかし、対応チューナーは現在商品化されていません。
    現在、シャープが6月25日に発売を予定している「4Kレコーダー TU-UD1000」が唯一4K試験放送に対応するチューナーとなります。
    http://www.sharp.co.jp/corporate/news/140520-a.html#sy


    また、ソニーは今年秋に試験放送対応チューナーの発売を予定しています。
    http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/201405/14-0521/

    さて、問題は、いずれも「試験放送対応」としていることです。
    即ち、「本放送対応ではない」と言っているわけです。
    本放送の仕様はまだ固まっていないので試験放送とは異なる可能性があり、その場合、既に発売されているチューナーは対応できない可能性がある、ということです。
    ファームウエア対応でアップデートできるかもしれませんが、そのようなことは謳われていません。
    パナソニックなど他のメーカーでは商品化は未定のようです。

    一方で、パナソニックは試験放送を配信するCATV局向けにチューナーを開発し、既に納品しています。
    http://www.panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/2014/06/jn140602-1/jn140602-1.html
    即ち、自宅のテレビ受信がネット経由やケーブルテレビ経由であれば、アンテナを立てたり、リスクを負ってチューナーを購入するより、ネットやケーブルテレビのサービスを利用するという手も考えられます。
    ただし、この場合でもSTB(セットトップボックス)が必要で、レンタルにせよ新たな費用が発生するでしょう。

    いずれにしても、そこまでして4K試験放送を観たいというユーザーは多くないと思われます。
    そもそも、4Kでテレビ番組を観たいというユーザーさえそれほど多くないうえ、多くのテレビ局も設備投資に躊躇している状況ですので、本放送に至る今後の道のりは楽なものではないと思われます。

    一方、4Kテレビの売れ行きは悪くないようですし、ソニーの4KハンディーカムFDR-AX100やパナソニックのGH4のような一般消費者向け4kカメラが発売され、注目されています。
    今やYouTubeにも多くの4Kコンテンツがアップされています。
    このような状況を見ると、放送ばかりが4K普及の決定打ではないような気がします。
    個人コンテンツや放送以外のオフエアコンテンツが、むしろ4K普及のキーを握っているのではないでしょうか?
    しかし、まだまだオフエア4Kコンテンツ配信のインフラが整っているとは言えません。
    4Kのブルーレイディスクは、2015年1月のCESで発表される見通しですが、いかにも動きが遅いです。

    放送ももちろん重要な配信手段ですが、SDの視聴者を全てHDに持ってきたように、HDの視聴者を全て4Kに持っていくのは難しいでしょう。
    それは多くのユーザーが、テレビの番組としての画質にはHDで満足しているからです。
    しかし、個人コンテンツやオフエアのコンテンツは異なります。
    より美しく観たい、撮りたいというユーザーはむしろ積極的に4Kに移るでしょう。
    このようなユーザーに対し4Kをアピールすることが4K普及には重要と思うのですが。。

     

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