1D C, Z100, SCARLET比較

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    キヤノンEOS1D C、ソニーPXW-Z100を使う機会がありましたので、SCARLET-Xと比較した印象を書いておきます。
    これら3機種は同じ4Kカメラであるものの、全く異なった性格を持っています。
    使い勝手の面はもちろん、画質、画調についても、全く異なっています。
    それでは、ひとつづつ見ていきましょう。

    キヤノンEOS-1D C


    EOS1D Xをベースに、4K動画記録機能を付加したモデル。1D Xの静止画機能はそのままに、4K動画とHD動画を記録できます。
    4K動画はMotionJPEGで記録され、フレームレートは23.98pと25pのみです。
    画調は静止画のそれと同じで、まさに静止画が動いているという感じ。
    DSLRの静止画と同じで、豊かな色乗りや細部まで精細な映像です。
    撮影は5DMK3などと同じような使い方で戸惑うことはありませんが、4Kでのフォーカシングをマニュアルで行う場合は、注意が必要です。
    フォーカスアシストとしては10倍の拡大機能があるのみで、ピーキングやエッジエンハンスといったサポートがありません。
    オートフォーカスの精度は信用できるものですので、使える場合はオートフォーカスを使っても良いでしょう。
    一方記録はMJPEGで、500Mbps強@23.98pです。
    Macbook Proでは、フル解像度のリアルタイム再生ができます。
    ただし、高速の外部ストレージが必要です。
    単発の3.5インチHDDをUSB3.0で接続しただけでは、リアルタイム再生はできませんでした。
    Macbook Proの内蔵SSDでもリアルタイム再生が可能ですので、このレベルのスピードを持つ外部ドライブが必要です。
    ファイルはPremiere Proで難なく読み込みができます。
    1D CにはCANON Logでの記録もサポートされています。
    これを使うと、広いダイナミックレンジをカバーすることができます。
    Logで記録された映像はLUT(Look Up Table)で戻してやる必要があります。
    現在、キヤノンのHPからLUTデータがダウンロードできますが、これは単なるCSVファイルで、具体的な使い方は書かれていません。
    このため、使う知識のあるユーザーだけが使える状態にあり、誰もが簡単に使えると言うものではありません。
    しかし、コンパクトなボディにスティルと4K記録機能が搭載されたメリットは大変大きく、最も手軽に4K動画が撮れるモデルと言えます。

    ソニーPXW-Z100

    従来のビデオカメラをそのまま4Kに対応させたイメージで、NX5など従来の業務用ビデオカメラユーザーなら、難なく4K撮影が可能です。
    あまりに従来のカメラを踏襲しているので拍子抜けするかもしれませんが、迷うことなく、マニュアルも見ずにすぐ使えるということは、大変大きなメリットでもあります。
    ただ、やはり4Kですので、フォーカシングに注意する必要があります。
    Z100は従来のビデオカメラと同じように、追従型のオートフォーカスが付いていますので、特にフォーカスポイントにこだわらない場合は、常にオートフォーカスONモードで撮影することもできます。
    マニュアルフォーカス時は拡大画面で確認することができますが、2倍程度の拡大機能しかありませんので、これは事実上あまり使えません。
    最近発表されたコンシューマー用のHXR-AX100には10倍の拡大モードが搭載されていますが、Z100にも欲しかったところです。
    ただZ100にはピーキングが搭載されていますので、むしろこれを使うと良いでしょう。
    ピーキングの色も白、赤、黄から選択でき、映像に応じて選択することができます。
    Z100はNX5などHDカメラと同じ使い勝手で便利なのですが、やはり感度は良いとは言えません。
    NX5のような明るさを期待していると、大きく裏切られます。
    十分な明るさの被写体を高解像度で撮るという明確な目的があるなら最適ですが、とりあえずNX5の代わりに使用する、と言った使い方の場合は注意する必要があるでしょう。
    Z100のもう一つの優位点は4K/59.97pで撮影できることです。
    スポーツなど動きが早い被写体をスムーズな映像で撮影することができます。
    映像データはXAVCです。
    これはAVCベースの圧縮を利用したファイルで、240Mbps@23.98p程度のレートです。
    これもMacbook Proで、高速ドライブを使えばリアルタイム再生が可能です。
    ただし、29.97p時では600Mbpsになり、これはそれなりのスペックのパソコンでないとリアルタイム再生はできません。
    なお、29.97p記録と言っても、HFR記録の場合はベースフレームレートは23.98pや29.97pですので、編集はMacbook Proベースで大丈夫です。
    Z100の画調は、従来のビデオカメラが4Kになったという感じで、実に素直です。
    4Kで収録してもほとんどの場合はHDで仕上げるでしょうから、HDの画質向上という点では最適です。
    Z100は従来のビデオカメラのマーケットに「普通に」浸透していくモデルでしょう。

    RED SCARLET-X

    解像感は上記2機種と比較すると、確実に劣ります。
    RAWで記録しますので、RAW原画ではもちろん解像感は無いのですが、現像時にシャープネスを最高にしても、1D CやZ100のような解像感までは至りません。
    しかし、SCARLETの画調は、何ともいえない雰囲気を持っています。
    表現が難しいのですが、品がある映像、とでも言っておきましょうか。
    もちろんカラーグレーディングのやり方にもよりますし、撮る被写体にもよるのですが、単に解像感だけでは評価できないモノがあるように思えます。
    例えば測定用の解像度チャートなどで比較すると、たぶん評価は良くないでしょう。
    従って、「4Kはこんなに解像感があるのだ」というようなデモ映像を撮るには適していないかもしれません。
    しかし、映画の1シーンのような雰囲気のある場面などは、恐らくSCARLETは本領を発揮するのでしょう。
    風景映像は・・・1D Cは見慣れたDSLR的な美しい映像です。
    しかし、SCARLETは、派手な映像ではなく、まるで水彩画のような、気持ちの良い映像なのです。
    これはどちらが良いと言うものではありませんが、SCARLETの映像は、カメラはスペックでは言い表すことのできない部分があるということを分からせてくれます。

    それでは、1D C、Z100、SCARLETの3機種の比較をまとめてみましょう。
    従来のビデオカメラの延長として使うなら、間違いなくZ100です。
    使い勝手も、画調も、戸惑うことは無いでしょう。
    4Kで撮影してHDでカンパケを作ると、非常に解像感が高い映像が得られます。
    ただ、先にも書きましたように、明るさはHDカメラに劣りますので、そこだけは注意が必要です。
    固定レンズで30mmから20倍ズームというのも、もう少しワイドよりなら完璧ですが、まあ、使えるでしょう。
    1D CはDSLRで撮ったようなメリハリの効いた、高解像感のある映像を撮りたいときに最適です。
    静止画が動くと思えばほぼ間違いなく、期待通りの映像が撮れるでしょう。
    CanonLogで撮れば理想的ですが、そうでなくてもレベルの高い映像が撮れます。
    1D Cの特長は静止画も完璧に撮れることです。
    1D Xに4K動画機能が付いたのだから、これはむしろあたりまえなのですが、このコンパクトなボディで静止画と4K動画が撮れるのですから、静止画も撮ると言うユーザーには最適です。
    最後にSCARLETですが、どちらかと言うとZ100よりも1D Cに近い存在です。
    ですので、特にこだわらないのであれば、価格も含め1D Cのほうがお手軽です。
    しかし、SCARLETで一度撮ってみたいと思うなら、それは無駄な投資ではないと思います。
    1D Cよりも重いし、バッテリーの持ちも比べるべくもありません。
    しかし、SCARLETが持つ映像の品のよさと、RAWによる加工し易さは、大きな特長です。
    万人にお勧めできるカメラではありませんが、一度手にとって見るのも良いかもしれません。


     

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