HDR(ハイダイナミックレンジ)について(第2回)

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     HDRについての解説、第2回です。
    引き続きREDのホームページから、拾ってみましょう。
    例によって引用するREDのサイトは

    http://www.red.com/learn/red-101/hdrx-high-dynamic-range-video

    です。

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    HOW IT WORKS
    HDRx™ is a proprietary HDR video solution that was invented for RED’s EPIC and SCARLET cameras. It works by recording two exposures within the interval that a standard motion camera would record only one:

    HDRxの実際
    HDRx™はREDのEPICとSCARLETのために開発された、独自のHDR(High Dynamic Range)技術です。これは、通常のビデオカメラが1フレーム記録する間に、2つの異なった露出のフレームを記録します。

    The primary exposure is normal, and uses the standard aperture and shutter settings (the “A frame”). The secondary exposure is typically for highlight protection, and uses an adjustable shutter speed that is 2-6 stops faster (the “X frame”). For example, if the A frame is captured at 24 fps and 1/50 second shutter speed, then specifying 2 stops HDRx causes the X frame to be captured at a shutter speed of 1/200 second.

    第1ショットの設定はノーマルで、スタンダードの露出とシャッタースピードです。(これをAフレームとします) 第2ショットの設定は通常明るい部分に適するように設定し、だいたい2~6 Stop早いシャッタースピードにします。(これをXフレームとします) 例えば、Aフレームが24fpsで1/50秒のシャッタースピードだとすると、HDRxを2 Stopにした場合は、Xフレームは1/200のシャッタースピードで記録することになります。


         Aフレーム                         Xフレーム

    Both frames are then recorded as separate tracks within the same R3D file. The net result is two video streams that can be either used separately, or combined to encompass a higher dynamic range than any film stock.

    それぞれのフレームは別々のトラックに同じR3Dファイルで記録されます。即ち2つのビデオストリームが独立して作成され、それぞれ別々に使用することも、合成して高いダイナミックレンジの映像として残すこともできます。

    MERGING FOR HDR
    Merging for HDR in REDCINE-X works by effectively stacking the tonal levels from the A and X frames:

    This approach produces tones that appear as though they were taken with a single higher dynamic range exposure, unlike the often artificial-looking HDR effect with stills that typically shows haloes and other artifacts. It also preserves the original tonal hierarchy, which means tones can be accurately mapped back to linear light for special effects or custom LUTs.

    HDRとして合成する
    合成はREDCINE-Xで行い、AフレームとXフレームから効果的に色調を重ねます。

    この手法は、あたかも大きなダイナミックレンジを持つカメラで、ワンショットで撮影されたような映像を作り出しますが、それはよくあるような、写真の人工的に作ったようなHDRとは全く異なるものです。そのようなものにはハレーションやその他の現象が出てしまっているものもあります。また、この手法はオリジナルの諧調を殺すことはありませんが、それは特殊効果やカスタムLUT(Look Up Table)に沿って滑らかな諧調を再現できるからです。


                HDRxで合成されるイメージ


                    HDRxで合成された画像

    However, whenever you try to squeeze 13-18+ stops of dynamic range into a display with only 8-10 stops or less, the image will appear flat unless other measures are taken. Tools such as contrast curves, manual compositing and adaptive tone-mapping are all used to make high dynamic range images appear more natural on a standard display. Within REDCINE-X, the easiest approach is to apply a more aggressive contrast curve:

    しかし、13~18Stop以上もあるダイナミックレンジをたかだか8~10Stopしかないディスプレイに表示しようとする度に、何もしないと、映像は平坦なものになってしまいます。コントラスト曲線やマニュアルコンポジティングやアダプティブトーンマッピングといったツールは、大きいダイナミックレンジの映像が通常のディスプレイでも自然に見えるようにしています。REDCINE-Xでは、もう一歩進んでコントラストを当てるのが最も簡単に結果を出せる方法です。


          Xフレーム                    普通にHDRxで合成した画像


              コントラストを強調したHDRx合成画像

    Optimal results are typically achieved by usingonly as much HDRx as necessary, and no more. A higher HDRx setting can make the blend more difficult since the A and X frames have less in common. The dynamic range of RED’s cameras is already quite high, so a little extension often goes a long way. When possible, it’s also always better to expose optimally using single exposures than to use HDRx to compensate for poor technique. Similarly, in post-production, it is easy to take the HDR effect too far. If an object was darker than the sky in the original scene, footage will lose its sense of realism if this tonal hierarchy is reversed in post-production.

    一番良い結果は、概して必要なだけHDRxを使うことに尽きますが、使いすぎてはいけません。HDRxをやりすぎると、AフレームとXフレームが違いすぎて、合成が難しくなります。REDのカメラのダイナミックレンジは、もとより相当優秀です。それゆえ、多少なりともやり過ぎは悪い方向に向かいます。できれば撮影テクニックをHDRxで補うより、適正な露出でワンショットで撮影したほうが、往々にして良い結果が得られるでしょう。ポストプロダクションにおいても、同じことが言えます。もしオリジナルで撮影対象が空よりも暗いからといって、ポストプロダクションでそれを逆にすると結局非現実的なものになってしまうのです。

    Alternatively, sometimes having more dynamic range isn’t absolutely necessary, but instead saves time and reduces production costs. HDRx can decrease the chance of having to shoot at another time of day, use extensive ND filters or install additional lighting. Dialogue scenes within a moving car might require ND filters on the windows, for example, but with HDRx the car could remain unmodified.

    だからと言って、大きなダイナミックレンジのカメラが絶対必要ということではありません。HDRxがあれば、時間を節約し、コストも節約することができます。HDRxを使うと、わざわざ別の時間に、しかも減光フィルムやライティングを使って撮影しなければならないということもなくなるわけです。例えば、車の中での対話シーンでは、ウインドウに減光フィルムを貼り付ける必要があるでしょう。しかしHDRxを使えば、クルマに手を加える必要は無いのです。

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    ということで、HDRxというのはREDオリジナルのHDR機能ということですね。HDRという機能、即ち、通常1枚撮るところを、露出を変えて2枚撮り、後で合成するという機能自体は静止画の世界で、今までにもあったのですが、動画でこれを実現したというところがHDRxの新しいところです。

    HDRは明らかにダイナミックレンジが大きくなったことを実感できますので、ついつい使ってしまうのですが、REDも上で言っているように、使いすぎには注意が必要です。
    何でもかんでも使うのではなく、ダイナミックレンジがHDRを使わなくても良い場合は、普通に撮ったほうが良いに決まっています。
    どういった場合に使うと良いのか、ある程度使い込むと分かってくるのではないでしょうか。


    HDR(ハイダイナミックレンジ)について

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      HDR(High Dynamic Range)という機能をご存知でしょうか?
      ちょっと高級なデジカメに付いています。
      これは、露出を変えた2枚、あるいは複数の映像を瞬時に撮影して、合成する機能です。
      ダイナミックレンジが大きいシーン、例えば室内から窓を通して外を映すような場合、室内に露出を合わせれば、外の景色が白とびしてしまいます。
      そうかといって、窓の外に露出を合わせると、室内が暗くなって、何があるのか分からなくなります。
      そこで、外の景色に適した露出で1枚撮影し、もう一枚室内に適した露出で撮影します。
      これを瞬時に行います。
      そして、これら2枚の画像を、「いいとこ取り」して合成するのです。
      今まで露出で苦労していたのは何だったんだ、と言いたくなるような、逆転の発想ですね。

      さて、これら2枚の映像は瞬時に撮られる必要があります。
      そうでなければ2枚の映像は、正確に同じフレーミングでなくなってしまいますので、合成できません。
      比較的やりやすい静止画では、かなり以前から採用されていました。
      しかし、それこそ常に連続撮影している動画では実用化されていませんでした。
      SCARLET-Xに搭載されたHDRxという機能は、まさにこれを動画で実現したのです。

      それでは、HDRx機能について、REDのホームページを引用しながら、何回かに分けて説明してみたいと思います。
      なお、引用するREDのHPは、

      http://www.red.com/learn/red-101/hdrx-high-dynamic-range-video

      にあります。

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      BACKGROUND
      A camera’s dynamic range describes how much subject intensity can vary before being recorded as featureless black or white. Having a higher dynamic range therefore improves exposure and post-production flexibility, expands the possibilities for dramatic and unevenly-lit scenes, and enhances image quality and detail.

      HDRの背景
      カメラのダイナミックレンジとは、単純な白黒の信号に変換するにあたり、どれほどの強さの範囲で変換できるか、ということです。大きなダイナミックレンジを持つということは、露出設定や、ポストプロダクションでの自由度を高めるとともに、濃淡が強く、均一でないライティングのシーンの表現の可能性を広げ、画質やディテールを向上させます。




      Dynamic range is typically specified in terms of stops, where each unit increase translates into a doubling of dynamic range. Current RED cameras capture over 13 stops of dynamic range in standard mode, which not only surpasses high-end DSLR cameras, but is also comparable to color film negatives. Although this is more than enough for most applications, sometimes even more is desired.

      ダイナミックレンジは、通常"Stop"であらわされ、1Stopごとにダイナミックレンジは2倍になります。REDのカメラは、スタンダードモードでは13Stopsのダイナミックレンジを持っていますが、これは高級デジタル一眼レフカメラをしのぐばかりか、フィルムのネガに相当します。ほとんどの場合、これで必要十分ですが、それ以上必要な場合もあります。

      To effectively extend the dynamic range a camera can capture, many cinematographers employ graduated neutral density (GND) filters. This approach is typically used for simple intensity gradations, such as the linear transition from dark foliage to a brighter sky in landscape scenes. However, GND filters have to be physically positioned prior to capture, and cannot handle scenes with doorways, windows and other uneven lighting geometries.

      多くの映画人たちは、カメラのダイナミックレンジを広くするために、GND(Graduated Neutral Density)フィルターを使いました。この手法は、暗い木陰から明るい空までといった風景で、光の濃淡を表現する場合によく使われました。しかし、撮影前にいちいち装着する必要があるうえ、戸口とか窓とか、あるいは均一でないライティングの場合は使えませんでした。

      To overcome these limitations, stills photographers created a technique called high dynamic range (HDR) imaging, which utilizes multiple exposures and a tripod-mounted camera. This has the power of handling virtually any lighting geometry, and is fully customizable in post-production. However, HDR has been elusive with video cameras, in part because this requires special-purpose electronics and software. Furthermore, mainstream stills HDR tools have become an artistic style as opposed to a dynamic range extension, so their look isn’t always desirable or realistic with cinema.

      このような制限を克服するため、スティルフォトグラファーは、複数回露光機と三脚に乗せたカメラを使ってHDR(High Dynamic Range)と呼ばれる技術を創り出しました。これにより実質的にどのような照明環境でも撮影でき、ポストプロダクションで完璧に処理できるようになったのです。 しかしビデオカメラでは、特殊な回路やソフトウエアを必要としたので、長い間対応できませんでした。そのうえ、スティルカメラのHDRはダイナミックレンジの拡張というよりは、芸術性のほうに向かったため、映画撮影にはかならずしも好都合ではなかったし、現実性も少ないものだったのです。

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      上に出てくるGNDフィルターというのは、いわゆるハーフNDフィルターのことです。
      使っている方はお分かりと思いますが、上下にグラデーションのついたNDフィルターで、空が明るすぎたりする場合、上部だけNDをかけられます。風景写真などでは使えるのですが、窓越しのシーンなどといった場合には使えませんね。

      露出を変えて、連写するという機能は、現在の一眼レフなら普通に持っている機能です。
      しかし、これは単に露出に迷った場合、明るめと暗めの両方撮っておいて、どちらかいいほうを使うというもので、HDR機能とは異なります。
      HDR機能は、この2枚を合成して、良いとこ取りをするわけです。
      最近の気の利いたカメラなら、カメラが合成してくれます。

      (つづく)



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