ソニー α7s

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    SCARLETは良いカメラなのですが、何しろ重いし、バッテリーがすぐ減るし、立ち上がりが遅いので、NABで”買い替えたい!”と思える魅力のあるカメラが発表されないか、楽しみにしていました。
    NABでは多くの4Kカメラが発表されましたが、残念ながら「チームで撮影するカメラ」がほとんどでした。
    ブラックマジックデザイン(BMD)のURSA然り、AJAのCION然り。
    JVCのGY-LSX2や、既に発表されているソニーのFDR-AX1やAX100はワンマンオペレーション可能ですが、縦長のビデオカメラは、当方の選択肢としては対象外です。
    BMDのBMPC4KやパナソニックのGH4に対抗して、小型で安価なモデルを出すかと期待したREDは、DRAGONでもっと高価な世界に行ってしまって、もう遥かに手が届きません。
    そんな中にあって、ソニーから4K対応のミラーレス一眼が発表されました。
    α7sです。
    フルサイズセンサー採用の4K対応カメラです。
    いよいよ本命が出たかと思われました。
    しかし、なんと、このカメラ、自分では4K記録できないのです。。
    4K記録するためには、外部レコーダーが必要です。

    少し前なら、こんな小さなボディに4K記録は難しいのだろう、と思ったところですが、今は事情が違います。
    キヤノンは既に1D Cを商品化していますし、パナソニックは価格も含めてマーケットをワォと言わせたGH4を発表しています。
    ソニーが出してくる4Kカメラは、当然これらの上を行く4Kカメラと思いましたし、そうあるべきでした。
    どのような意思決定で4Kは外部記録となったか分かりませんが、アルファはあくまでスティルカメラだ、という強い主張があったのでしょうか?
    技術的には4K記録など問題なくできるが、あえて動画は追い求めないのだ、ということでしょうか。
    それとも、そこまでやってしまったら、既存の4Kカメラが売れなくなってしまう、という懸念があったのでしょうか。
    確かに、スティルカメラとしては、超高感度を誇る最高位レベルのカメラです。
    しかし、4Kを期待してたユーザーとしては、大きく肩透かしを食らわされた印象です。

    もっとも、外部レコーダーを入れてもSCARLETより軽いのかもしれませんが、やはり扱いは煩雑になってしまいます。
    まあ、しかし、これで、浮気心が消え失せ、新たな投資をしなくてもよいと、ちょっとほっとしたNABでもありました。
     

    GH4 その2

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      今回はGH4の記録系を見てみましょう。
      ビットレートが100Mbpsときわめて低レートなのが目立ちます。
      他のカメラの4Kモードでは、この倍以上のレートを採用しています。
      これは、他のカメラがフレームごとに圧縮するI-Only方式を採用しているのに対し、GH4はIPB(LongGOP)方式を採用しているからと思われます。
      もっとも民生用として発表されているソニーのFDR-AX100は、やはりLongGOP方式を採用しており29.97p記録時で60Mbpsとされていますので、GH4が特別低いレートはありません。
      I-onlyとLongGOP方式は、どちらが良いというわけではありませんが、一般的にはI-only方式は”上級”のカメラに用いられる傾向にあります。
      I-only方式は各フレームをそれぞれ圧縮するのに対し、LongGOP方式は一定のフレーム数ごと(例えば12フレームごととか)に互いの関連性を調べ、前のフレームから変化しているところのみ新たに圧縮するというやりかたですので、効率は良く、同じ画質なら低レートというのが特長です。
      しかし、LongGOP方式はコーディングが複雑になりますので、デコーディングに手間がかかる、即ち強力なCPUが必要になる傾向があります。
      CP+ではEDIUS7上で動いていましたが、Dual XeonのPCでしたので、例えばCorei7レベルのCPUでどの程度動くかは分かりません。

      また、この低レートを生かして、SDXCを記録メディアとして採用できたのも、使う側としてはうれしい話です。
      と、喜ぶのは早いようです。
      実はSDXCと言っても、4K録画にはスピードクラス3という規格のものが必要で、これは64GBで約17,000円と発表されています。(実売価格は、これよりも安価になるかもしれません)
      残念ながら、やはり4K記録用のメディアは安くありません。
      ただ、100Mbpsという低レートなことから同じ容量でも記録時間は長くなりますので、これは大きなアドバンテージです。

      「RP-SDUC64GJK」(64GB/SDXC)

       
      GH4 BMD4K 1D C Z100
      圧縮方式 MOV/MP4 RAW/ProRes422 MotionJPEG XAVC
      サンプリング 4:2:2/8bit 4:2:2/10bit 4:2:2/8bit 4:2:2/10bit
      24p時のビットレート 100Mbps ?/880Mbps 約500Mbps? 240Mbps
      記録メディア SDXC SSD CF x2slots XQD x2slots
      価格(64GB) 約¥17,000 約¥9,000 約¥43,000 約¥23,000
      記録時間(64GB使用時) 約86分 約9分 約16分 約30分
      1分当たりの価格 約200円 約1000円 約1690円 約770円

      参考までに、RED SCARLETの記録メディアは64GB(10万円)で、約20分記録できますので、1分当たり5,000円ということになります。。

      GH4は本来民生用のカメラですが、特に動画のパフォーマンスの良さからプロ用としても使われると思われます。
      また、現にプロ用途を意識した「拡張インターフェースユニット」も発表されていますし、SDXCカードに記録しない場合はHDMIから4:2:2/10bitの映像信号も出力できます。
      従って、AJAなどの外部レコーダーに4:2:2/10bitで記録できるわけです。
      ソニーも民生用のハンディカムAX100を発表していますが、これは本流のビデオカメラです。
      しかし、注目を集めているのは、どうもGH4の方に見えます。
      やはり4Kは色々な意味でDSLRスタイルの方向になるのかもしれません。

      それにしても、これだけの4Kカメラが出てきたので、他社の出方が楽しみです。
      特に1D C以後音沙汰の無いキヤノンの次の一手が注目されます。
      まだセンサーサイズで優位に立っているとはいえ、GH4への流れは無視できないでしょう。
      (早速EDIUS7が付いてくるキャンペーンが出ていますが。。)
      従来のビデオカメラ路線を突っ走るソニーにも、αベースの4Kカメラを期待したいところです。

      あえてGH4の弱点を上げるとすると、やはりセンサーサイズと思われます。
      M4/3で十分とはいえ、やはり絞り込むことが多い風景などでは小絞りボケが心配ですし、感度もAPS-Hやフルサイズセンサーに比べれば劣るでしょう。
      やはりフルサイズの4Kカメラが出てきて欲しいと思います。
      要は5DMK3の4Kバージョンです。
      ”5D C”でしょうか。

      LUMIX DMC-GH4登場

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        パナソニックからGH3の後継機となるGH4が、先日パシフィコ横浜で行われたCP+に、ほぼ量産機に近い形でハンズオン展示されました。
        GH4自体については多く紹介されていますので、ここでは他の4Kモデルと4K機能に絞って比較してみたいと思います。
        比較対照はやはりブラックマジックデザインの4Kカメラと、価格は全く違いますがキヤノン1D Cでしょうか。
        ビデオカメラとしてはソニーのZ100も比較対照になるかもしれません。
         
        GH4 BMD4K 1D C Z100
        イメージセンサー MOS CMOS(GS) CMOS CMOS(裏面照射)
        センサーサイズ M4/3 Super35 Full(APS-H) 1/2.3"
        総画素数 1720万 830万 ? 1890万
        静止画有効画素数 1605万 - 1810万 -
        動画有効画素数 1605万 830万 830万 880万
        レンズマウント M4/3 CanonEF CanonEF 固定
        4K記録解像度
        最大フレームレート
        4096x2160/24p
        3840x2160/30p
        3840x2160/30p 4096x2160/24p 4096x2160/60p
        3840x2160/60p
        圧縮方式 MOV/MP4 RAW/ProRes422 MotionJPEG XAVC
        サンプリング 4:2:2/8bit 4:2:2/10bit 4:2:2/8bit 4:2:2/10bit
        24p時のビットレート 100Mbps ?/880Mbps 約500Mbps? 240Mbps
        記録メディア SDXC SSD CF x2slots XQD x2slots
        ディスプレイ OLED3.0型(3:2) 5インチ(5:3) 3.2型(3:2) 3.5型(16:9)
        出力 HDMI 6G SDI HDMI SDI/HDMI
        静止画撮影 Yes No Yes No
        質量(本体のみ) 480g 1700g 1355g 2460g(レンズ付)
        価格 20万円程度? 33万円程度 100万円程度 60万円程度

        では、イメージセンサーから。
        GH4はGH3と同じく4/3インチMOS、マウントはマイクロフォーサーズ(以下M4/3)です。
        ですので、1インチセンサーを採用するAX100よりは少し大きいのですが、Super35mmセンサーのBMD4Kカメラより小さく、フルサイズの1D Cよりははるかに小さいというポジションです。
        1D Cに関しては、4K収録時はAPS-Hサイズに切り出して使いますが、それでもM4/3より大きいと言えます。
        イメージセンサーは大きければよいというわけではありませんが、Super35mmだったらなあ、という声は多いのではないでしょうか?
        しかし、M4/3により、これほどコンパクトな4Kカメラができたわけですので、その意義は大きいといえます。
        また、M4/3ゆえ、アダプターでEFレンズなどにも対応できます。

        イメージセンサーの有効画素数は、静止画、4K動画で同じ1605万画素です。
        1605万画素全てで撮像し、これを4K(約800万画素)にダウンコンバートしています。
        1D Cでは、静止画の場合は1810万画素を使いますが、4Kでは約800万画素を切り出して使います。
        このため、1D Cでは静止画と4K動画では画角が違ってしまいますが、GH4ではそのようなことはありません。
        静止画も4K動画も同じカメラで撮れるというのが1D CやGH4の大きなアドバンテージですが、画角が違ってしまうのが1D Cの惜しいところでした。
        その意味でGH4は静止画と4K動画を自然に切り替えて使えます。

        次に4K記録時の解像度とフレームレートを見てみます。
        BMD4Kのみ3840x2160止まりですが、他の3機種は4096x2160まで対応しています。
        4096x2160はシネマ用のアスペクトレシオですので、特に必要なければ3840x2160で良いのですが、GH3の実績から、GH4もシネマに使われる機会も多いと見てサポートされているのでしょう。
        フレームレートは4096x2160では24.98pまで、3840x2160では29.97pまでとなっています。
        BMD4Kや1D Cでも29.97pどまりですから、これは標準的なスペックですが、Z100が59.94pまで撮れてしまうのは突出しています。
        しかも姉妹機のFDR-AX1(35万円程度)でも59.94pが撮れてしまうところはソニー機のアドバンテージです。
        ただ、59.94pで撮っても、ファイルのビットレートが大きくなることから、編集を含め大掛かりになってしまいます。
        確かに59.94pは魅力的ですが、ハンドリングとコストを考えると29.97pまででも、とりあえずはOKかと思われます。
        しかし1D Cは23.98pまでですので、29.97pがサポートされることが望まれます。

        次回は記録系を見てみます。

        1D C, Z100, SCARLET比較

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          キヤノンEOS1D C、ソニーPXW-Z100を使う機会がありましたので、SCARLET-Xと比較した印象を書いておきます。
          これら3機種は同じ4Kカメラであるものの、全く異なった性格を持っています。
          使い勝手の面はもちろん、画質、画調についても、全く異なっています。
          それでは、ひとつづつ見ていきましょう。

          キヤノンEOS-1D C


          EOS1D Xをベースに、4K動画記録機能を付加したモデル。1D Xの静止画機能はそのままに、4K動画とHD動画を記録できます。
          4K動画はMotionJPEGで記録され、フレームレートは23.98pと25pのみです。
          画調は静止画のそれと同じで、まさに静止画が動いているという感じ。
          DSLRの静止画と同じで、豊かな色乗りや細部まで精細な映像です。
          撮影は5DMK3などと同じような使い方で戸惑うことはありませんが、4Kでのフォーカシングをマニュアルで行う場合は、注意が必要です。
          フォーカスアシストとしては10倍の拡大機能があるのみで、ピーキングやエッジエンハンスといったサポートがありません。
          オートフォーカスの精度は信用できるものですので、使える場合はオートフォーカスを使っても良いでしょう。
          一方記録はMJPEGで、500Mbps強@23.98pです。
          Macbook Proでは、フル解像度のリアルタイム再生ができます。
          ただし、高速の外部ストレージが必要です。
          単発の3.5インチHDDをUSB3.0で接続しただけでは、リアルタイム再生はできませんでした。
          Macbook Proの内蔵SSDでもリアルタイム再生が可能ですので、このレベルのスピードを持つ外部ドライブが必要です。
          ファイルはPremiere Proで難なく読み込みができます。
          1D CにはCANON Logでの記録もサポートされています。
          これを使うと、広いダイナミックレンジをカバーすることができます。
          Logで記録された映像はLUT(Look Up Table)で戻してやる必要があります。
          現在、キヤノンのHPからLUTデータがダウンロードできますが、これは単なるCSVファイルで、具体的な使い方は書かれていません。
          このため、使う知識のあるユーザーだけが使える状態にあり、誰もが簡単に使えると言うものではありません。
          しかし、コンパクトなボディにスティルと4K記録機能が搭載されたメリットは大変大きく、最も手軽に4K動画が撮れるモデルと言えます。

          ソニーPXW-Z100

          従来のビデオカメラをそのまま4Kに対応させたイメージで、NX5など従来の業務用ビデオカメラユーザーなら、難なく4K撮影が可能です。
          あまりに従来のカメラを踏襲しているので拍子抜けするかもしれませんが、迷うことなく、マニュアルも見ずにすぐ使えるということは、大変大きなメリットでもあります。
          ただ、やはり4Kですので、フォーカシングに注意する必要があります。
          Z100は従来のビデオカメラと同じように、追従型のオートフォーカスが付いていますので、特にフォーカスポイントにこだわらない場合は、常にオートフォーカスONモードで撮影することもできます。
          マニュアルフォーカス時は拡大画面で確認することができますが、2倍程度の拡大機能しかありませんので、これは事実上あまり使えません。
          最近発表されたコンシューマー用のHXR-AX100には10倍の拡大モードが搭載されていますが、Z100にも欲しかったところです。
          ただZ100にはピーキングが搭載されていますので、むしろこれを使うと良いでしょう。
          ピーキングの色も白、赤、黄から選択でき、映像に応じて選択することができます。
          Z100はNX5などHDカメラと同じ使い勝手で便利なのですが、やはり感度は良いとは言えません。
          NX5のような明るさを期待していると、大きく裏切られます。
          十分な明るさの被写体を高解像度で撮るという明確な目的があるなら最適ですが、とりあえずNX5の代わりに使用する、と言った使い方の場合は注意する必要があるでしょう。
          Z100のもう一つの優位点は4K/59.97pで撮影できることです。
          スポーツなど動きが早い被写体をスムーズな映像で撮影することができます。
          映像データはXAVCです。
          これはAVCベースの圧縮を利用したファイルで、240Mbps@23.98p程度のレートです。
          これもMacbook Proで、高速ドライブを使えばリアルタイム再生が可能です。
          ただし、29.97p時では600Mbpsになり、これはそれなりのスペックのパソコンでないとリアルタイム再生はできません。
          なお、29.97p記録と言っても、HFR記録の場合はベースフレームレートは23.98pや29.97pですので、編集はMacbook Proベースで大丈夫です。
          Z100の画調は、従来のビデオカメラが4Kになったという感じで、実に素直です。
          4Kで収録してもほとんどの場合はHDで仕上げるでしょうから、HDの画質向上という点では最適です。
          Z100は従来のビデオカメラのマーケットに「普通に」浸透していくモデルでしょう。

          RED SCARLET-X

          解像感は上記2機種と比較すると、確実に劣ります。
          RAWで記録しますので、RAW原画ではもちろん解像感は無いのですが、現像時にシャープネスを最高にしても、1D CやZ100のような解像感までは至りません。
          しかし、SCARLETの画調は、何ともいえない雰囲気を持っています。
          表現が難しいのですが、品がある映像、とでも言っておきましょうか。
          もちろんカラーグレーディングのやり方にもよりますし、撮る被写体にもよるのですが、単に解像感だけでは評価できないモノがあるように思えます。
          例えば測定用の解像度チャートなどで比較すると、たぶん評価は良くないでしょう。
          従って、「4Kはこんなに解像感があるのだ」というようなデモ映像を撮るには適していないかもしれません。
          しかし、映画の1シーンのような雰囲気のある場面などは、恐らくSCARLETは本領を発揮するのでしょう。
          風景映像は・・・1D Cは見慣れたDSLR的な美しい映像です。
          しかし、SCARLETは、派手な映像ではなく、まるで水彩画のような、気持ちの良い映像なのです。
          これはどちらが良いと言うものではありませんが、SCARLETの映像は、カメラはスペックでは言い表すことのできない部分があるということを分からせてくれます。

          それでは、1D C、Z100、SCARLETの3機種の比較をまとめてみましょう。
          従来のビデオカメラの延長として使うなら、間違いなくZ100です。
          使い勝手も、画調も、戸惑うことは無いでしょう。
          4Kで撮影してHDでカンパケを作ると、非常に解像感が高い映像が得られます。
          ただ、先にも書きましたように、明るさはHDカメラに劣りますので、そこだけは注意が必要です。
          固定レンズで30mmから20倍ズームというのも、もう少しワイドよりなら完璧ですが、まあ、使えるでしょう。
          1D CはDSLRで撮ったようなメリハリの効いた、高解像感のある映像を撮りたいときに最適です。
          静止画が動くと思えばほぼ間違いなく、期待通りの映像が撮れるでしょう。
          CanonLogで撮れば理想的ですが、そうでなくてもレベルの高い映像が撮れます。
          1D Cの特長は静止画も完璧に撮れることです。
          1D Xに4K動画機能が付いたのだから、これはむしろあたりまえなのですが、このコンパクトなボディで静止画と4K動画が撮れるのですから、静止画も撮ると言うユーザーには最適です。
          最後にSCARLETですが、どちらかと言うとZ100よりも1D Cに近い存在です。
          ですので、特にこだわらないのであれば、価格も含め1D Cのほうがお手軽です。
          しかし、SCARLETで一度撮ってみたいと思うなら、それは無駄な投資ではないと思います。
          1D Cよりも重いし、バッテリーの持ちも比べるべくもありません。
          しかし、SCARLETが持つ映像の品のよさと、RAWによる加工し易さは、大きな特長です。
          万人にお勧めできるカメラではありませんが、一度手にとって見るのも良いかもしれません。


           

          ソニーの4Kハンディカム第2弾、FDR-AX100が早くも登場

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            ソニーの民生用4Kハンディカムの第2弾、FDR-AX100が早くも発表されました。
            ”早くも”と言うのは、第1弾のAX1が発売されたのが昨年11月で、それからまだ2か月程度しか経っていないからです。

            10年ほど前になりますが、HDの時は、民生機第1弾がHDR-FX1(下左)、第2弾がHDR-HC1(下右)でした。
            今回と同じようにFX1がハンディタイプ、HC1がパームタイプでした。



            HDR-FX1の発売時期は2004年10月でしたが、HC1が発表されたのは2005年5月でした。
            即ち、FX1発売からHC1発表まで、半年ほどの期間があったのです。
            そう考えると、FDR-AX100の発表は、ずいぶん早い印象です。
            ほんの1年前は、4Kはまだ映画制作用の特殊なカメラでしたが、ここに来て一気に家庭用まで下りてきた感じがします。

            もっとも、今年2014年は4Kが本格的に始動する年と位置付けられています。
            メーカーにとっては、早い段階での一般ユーザー向け商品が必要だったのかもしれません。
            AX1は民生用のハンディカムと言っても、現実的にはマニア層や業務用ユーザーがメインですので、一般ユーザーにはハードルが高いと言わざるを得ません。
            一般ユーザーが使えるサイズと簡単な操作性を持つ4Kカムコーダーが、4K普及には必須です。

            そういう意味では、CES(Consumer Electronics Show)はAX100発表の格好のタイミングでした。
            今回のCESでは、4Kはメインテーマの一つでした。
            各電気メーカーの4Kへの期待度は相当大きなものだったといえます。
            いや、メーカーだけではありません。
            前倒ししてまで今年4K放送を実現しようとしている放送局、というより政府の方針なのかもしれません。

            AX100発表の背後はこれぐらいにして、AX100の機能に戻りましょう。
            AX1のときもそうでしたが、YouTubeのデモ映像はすばらしい解像感があります。
            https://www.youtube.com/watch?v=e-adJNOcrjg

            AX100のような小さな筐体で4Kカムコーダーが実現できたということは、放熱処理ができたということ、即ち回路の集積化ができたということです。
            回路の集積化ができたということは、LSIなどの集積回路に大きな投資をしたということで、メーカーの方針が見て取れます。
            即ち、今後省電力化が進み、更に小型軽量化された4Kハンディカムが発売されるでしょう。
            いずれデジカメ系にも4K動画機能が組み込まれると予想されます。
            AX100の商品化は、4Kカメラが一部のマニアやプロだけのものではなく、一般ユーザーへも浸透させていくとのメッセージでもあるわけです。
            HDR-HC1とその後に出てきた商品群を見ると、これから出てくるであろう民生用4Kカメラが、ある程度想像されます。
            もちろん、4KがHDと同じ発展過程を辿るなら、ですが。
            これについては、改めて考えたいと思います。

            それでは、AX100のスペックを見てみましょう。
            AX1と比較すると分かりやすいかもしれません。
            (スペックは主に4K動画に関するものです)
             
            FDR-AX1 FDR-AX100
            撮像素子サイズ 1/2.3型 Exmor R CMOS 1.0型 Exmor R CMOS
            撮像素子総画素数 約1890万画素 2090万画素
            有効画素数(動画) 約830万画素 1420万画素
            静止画 No Yes
            レンズ Gレンズ ZEISS バリオ・ゾナーT*
            フィルター径 72mm 62mm
            虹彩絞り 6枚羽根 7枚羽根
            リング 3(フォーカス/ズーム
            /アイリス独立)
            1
            F値 F1.6-3.4 F2.8-4.5
            f(焦点距離:35mm換算) f=31.5mm-630mm f=29.0-348.0mm
            ズーム 光学20倍 光学12倍(全画素超解像18倍)
            VF 0.45型(16:9)
            /122.7万ドット相当
            0.39型(4:3) OLED
            /144万ドット相当

            液晶モニター

            3.5型/122.9万ドット
            エクストラファイン液晶
            3.5型/92.1万ドット
            エクストラファイン液晶
            タッチパネル No Yes
            ナイトショット No Yes
            手ブレ補正機能 光学式(アクティブレンズ方式) 光学式(アクティブレンズ方式、
            アクティブモード搭載)
            記録メディア XQD SDXC
            映像記録 XAVC S規格 XAVC S規格
            最大フレームレート 59.94P (150Mbps)
            @3840×2160
            29.97p(約60Mbps)
            @3840×2160
            記録メディアとスロット数 XQD x2 SDXC x1
            本体質量 約2440g 約790g
            消費電力 14.5W 5.6W


            それではイメージセンサーから見てみましょう。
            1インチ2090万画素というと、サイバーショットDSC-RX100のセンサーが流用されていると考えられます。
            AX1のセンサーは1/2.3インチですので、AX100のセンサーのほうがグレード的には上と言えます。
            有効画素数は、4K解像度(3840x2160)なら約800万画素あればよいので、AX1の810万画素で事足りるのですが、AX100では1420万画素あります。
            これは、1420万画素で撮って、800万画素にダウンコンバートしていると思われます。
            REDのDRAGONセンサーでも、6Kで撮って4Kにダウンコンバートしています。
            REDの場合、4Kでの画質は、6Kで撮影するほうが、4Kで撮影するよりも優れているとしています。
            もちろん、ダウンコンバートする過程の違いもありますので、これは単純に同じとはいえませんが。
            いずれにしても、AX1では有効画素数の総画素数に対する比率は44%だったのに対し、AX100では68%になっているので、”もったいない率”は改善されたといえます。
            また、AX100では静止画撮影機能が付いており、静止画撮影では2000万画素を使い切っていますので、センサーは100%有効利用されています。

            次にレンズです。
            AX100もAX1も4K撮影に耐えるレンズを使っていることには変わりありませんが、AX100が7枚羽根でAX1よりも微妙に良くなっているのはAX1ユーザーからすると、ちょっと気に入らないところでしょう。
            しかし、AX1のレンズには3つのリングがあり、それぞれフォーカス、ズーム、アイリスが独立してコントロールできますので、マニュアルコントロールに適しています。
            AX1のカメラの性格には必須の機能でしょう。
            AX100は、この点ではオートコントロールを優先させ、より民生用に適した仕様です。
            F値を見ると、AX1のほうがより明るいことが分かりますので、これもAX1のアドバンテージです。
            AX1とAX100の価格の違いは、このレンズにあるといっても良いでしょう。
            少し残念なのは、AX1の焦点距離が31.5mmと29mmのAX100よりも長いことです。
            業務にも使用されることの可能性が高いAX1では、もう少し短い焦点距離が求められると思われます。

            ズームもAX1が光学20倍に対し、AX100は光学12倍ですので、純粋な光学ズームではAX1が優れています。
            ただ、AX100には全画素超解像ズーム機能が付いており、4Kでは18倍までズームできます。
            通常のデジタルズームでは、総画素と有効画素数がほぼ同じですので、デジタルズームを使用する場合は画質が劣化します。
            これに対し、イメージセンサーの総画素が有効画素数よりも遥かに多い場合は、総画素を使用してデジタルズームを行うと画質をあまり落とすことなくデジタルズームができます。
            計算上では、AX100では、光学12倍時に全画素超解像ズームを行うと、18倍では画質劣化なくデジタルズームできることが分かります。
            全画素超解像ズームは、イメージセンサーの総画素を使いこなし、小型のレンズでもズーム倍率を稼げる良いアイデアです。

            記録系です。
            AX1が、記録メディアにXQDを使用しているのに対し、AX100ではSDXCです。
            一般ユーザーにXQDはハードルが高いので、AX100ではSDXCとしているのでしょう。
            ただし、SDXC Class10の記録保証レベルは80Mbpsです。
            そのため、XAVC Sフォーマットで記録できるフレームレートは、AX100は29.97p(60Mbps)までとなっており、AX1のように59.94pは記録できません。
            59.94p時では150Mbpsの記録レートが必要ですので、SDXCでは対応できないのです。
            記録時間は、29.97p記録時では、32GBのSDXCで1時間以上記録できる計算になります。
            カードスロットが2つあるのもAX1が業務用にも使える大きな理由で、記録を止めることなくメディア交換できます。

            最後にAX100は790gと大変軽量化されているだけでなく、消費電力もAX1の半分以下です。
            4Kカムコーダーが早くもこの域に達したのは、本当に驚きです。
            民生用4Kビデオカメラでは、現在ソニーが独走している印象がありますが、他社の今後の動向が気になるところです。

            NEX-FS700Rの4Kオペレーション

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              ソニーのカメラの話題が続きますが、今回はNEX-FS700Rです。
              NEX-700といえば、フルHDで240fpsの高速記録ができるカメラとして、一躍有名になりました。
              240fpsで記録すると、24p再生で10倍速、即ち1/10倍速のクリアなスローモーションが得られるわけで、これはそれまで高速度カメラの代名詞だったPhantomなどに対して格段に低価格で美しいスローモーションを得られます。
              久々のソニーらしい商品で、当然、FS700は驚きと絶賛をもってマーケットに迎えられたといえます。

              このFS700ですが、高速再生とともに大きな期待を寄せられたのが、将来の4Kへのアップグレードでした。
              当時の発表では、将来外付けレコーダーにより4K記録が可能になる、とのことでした。
              そして、約束どおり、今回発表されたNEX-FS700Rによって、それが実現されました。
              なお、従来のFS700は、ファームウエアのグレードアップによって対応が可能です。(ただし、有償で3万円)

              さて、具体的な4K映像の記録ですが、これはAXS-R5という外付けレコーダーに記録します。
              AXS-R5はPMW-F5/F55にRAW記録するためのレコーダーで、これを流用しています。
              AXS-R5はF5やF55には、ケーブルレスで接続でき、カメラと一体になります。
              しかし、FS700/Rでは、インターフェースユニットHXR-IFR5が必要になり、これがAXS-R5と同じくらいの大きさですので、ドッキングするとそれなりの大きさになります。
              更にAXS-R5用のバッテリーが付きますので、これはもう、カメラと一緒に三脚に乗せるなどと言うのは無理な話ですし、そのような想定も無いようです。
              何となくKi Pro Quadのような大きさを勝手にイメージしていた者としては、ちょっとした驚きです。

              もう一つハードルが高いのは価格です。
              発表では、AXS-R5が493,500円、HXR-IFR5が210,000円です。
              更に記録メディアはAXS-R5専用メディアで512GBのものでも約18万円しますし、最低2枚は必要です。
              また、バッテリーは46,800円(これも2個以上必要でしょう)、カードリーダーが59,800円もします。
              結局、FS700/Rを4Kカメラとして使用するには、追加で約100万円が必要です。
              カメラがもう一台買えてしまいます。

              では、なぜこうなってしまうかというと、AXS-R5を使用しているからに他なりません。
              AXS-R5はPMW-F5/F55にRAW記録機能を持たせるアクセサリーです。
              PMW-F55はカメラ内蔵のSxSスロットでXAVCにより4Kを記録できますが、AXS-R5により、よりグレードの高いRAW記録ができるようになります。
              解像度も映画をメインに想定しているらしく、4096x2160のみで、3840x2160には対応していません。
              このRAWフォーマットは、まだPremiere ProやFCPで気軽に現像、編集、グレーディングできませんので、ポストプロダクションのプロセスも複雑になる上、コストも高くなります。

              たまたまAXS-R5という外部レコーダーが存在したので、これを採用したのかも知れませんが、もしXAVCやXAVC Sの外部レコーダーがあれば、多分そちらのほうがFS700/Rにはお似合いだったかもしれません。
              ただ、AXS-R5をレコーダーにすると、NEX-FS700/RをPMW-F5/F55でRAW記録する場合のサブカメラとして使うことができます。
              特に4K RAW記録時も120fpsで記録できますので、24p再生なら1/5のスローモーションが可能です。

              しかし、AVCHDでFS700/Rを使っている本来のユーザー層が、4Kへアップグレードするには、このソリューションはかなりハードルが高いと言わざるをえません。
              将来XAVCかXAVC Sで記録できるコンパクトな外部レコーダーが発売されれば、できるだけ手軽に4K記録を始めたい小規模ユーザーにはFS700/Rはぐっと身近な存在になると思われます。
              サードパーティーからのローコストなレコーダーにも期待したいと思います。


              FDR-AX1で記録した映像の編集と配信

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                 ソニーの4Kカムコーダー、FDR-AX1が発表されましたが、撮影したものの編集と配信について、もう少し突っ込んで考えてみたいと思います。

                AX1はソニーが提唱する民生向け記録フォーマットであるXAVC Sで、XQDというメモリーメディアに記録されます。
                ソニーの発表では、近くVegasがXAVC Sに対応し、また、XAVC Sでカムコーダーへの書き出しも考えられているようです。
                いずれ、他のNLEメーカーも対応すると思われます。

                この場合、ワークフローは以下のようになります。
                1. AX1でXAVC Sで、XQDに記録
                2. AX1かXQDリーダーライターで、パソコンに取り込み
                3. パソコンのNLEで編集
                4. タイムラインをXQDにXAVC Sで書き出し
                5. 書き出したXQDをAX1で再生
                6. AX1をHDMIで4Kブラビアにつなぐと、ブラビアで視聴可能

                しかし、これでは、自分だけしか見ることはできません。
                他の人に見てほしい場合は、その人がAX1を持っている必要があります。
                4Kテレビを持っていても、AX1を持っていないと再生できません。
                しかもXQDは3万円くらいします。
                簡単にプレゼントする訳にもいきません。
                DVDやBD(Blu-ray Disc)のように、安価なメディアで4Kを記録して配信することが、今のところできないのです。

                例えば、4K対応のBDがあれば良いのですが、そのような話はまだ発表されていません。
                BDの普及が、特に海外で今一つで、4Kへの対応に足かせになっているのかもしれません。
                PS4が発表されましたが、4Kへの対応は明確にされていません。
                BDの規格が決まり、PS4発売時に搭載されるなら、素晴らしいことなのですが。。

                一方、ソニーは米国でFMP-X1という4Kメディアプレーヤーを売り出しました。
                このプレーヤーは、中に2TBのHDDを内蔵しており、ネットを介して映画などの4Kコンテンツをダウンロードします。
                FMP-X1は4Kブラビアと接続して、4K映像を見ることができます。
                (下図 右下の円筒形のもの)



                しかし、先に書いたような、AX1で記録した個人のコンテンツは、現在のところFMP-X1では再生できません。
                将来何らかの手段でネットを介してFMP-X1に配信できるようになるのかもしれませんが、まだそのような情報はありません。
                従って、4K BDにせよ、ネット配信にせよ、個人が編集したコンテンツやパッケージメディアで販売されるコンテンツを配信する手段は、まだ確立されていないのです。

                結局、現在積極的に考えられている4Kワークフローは映画か放送に関してのものです。
                しかし、AX1レベルのユーザーは、業務用として使うユーザーも多いでしょうから、かなり高い割合で編集までやりたいと思っているでしょう。
                このようなユーザーに対し、4Kワークフローと配信のソリューションを提供する必要が、早急に求められると思います。


                ソニーの業務用4KカムコーダーPXW-Z100

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                  昨日、当ブログでソニーの民生用の4KハンディーカムコーダーFDR-AX1について書き、その中で業務用機が発表される可能性に触れましたが、あっさり翌日に発表されました。
                  業務用機はPXW-Z100というモデルネームだそうです。
                  連日になりますが、これについても書いてみることにします。

                  例によって、簡単に仕様を見てみましょう。
                  *がAX1との違いです。

                  ・1/2.3"裏面照射型CMOSセンサー(総画素数約1890万画素、有効画素数約830万画素)
                  ・レンズ焦点距離 30〜600mm(35mm換算:4096x2160時)* 31.5-630mm(35mm換算:3840x2160時)
                  ・絞り F1.6〜F11 オート/マニュアル切り換え可能*(AX1では記述なし)
                  ・ズーム 光学20倍
                  ・液晶モニター 3.5型、アスペクト比 16:9、852[H]×480[V]×3[RGB](AX1では 3.5型(16:9)/約123万ドット エクストラファイン液晶 と記述)
                  ・ビューファインダー 0.45型、アスペクト比 16:9、852[H]×3[RGB]×480[V]相当*(AX1では記述なし)
                  ・手ぶれ補正 シフトレンズ方式、ON/OFF 可能(AX1は"光学式(アクティブレンズ方式)"と記述)
                  ・記録フォーマット(4K) XAVC:4K :4096x2160 3840x2160*(AX1はXAVC S規格:MPEG4-AVC/H.264)
                  ・記録画素数/フレームレート 59.94p 最大600Mbps、50p 最大500Mbps、29.97p 最大300Mbps、
                  25p 最大250Mbps、23.98p 最大240Mbps
                  *(AX1は、3840×2160 60P(150Mbps)/3840×2160 30P(100Mbps)/
                  3840×2160 30P(60Mbps)/3840×2160 24P(100Mbps)/
                  3840×2160 24P(60Mbps))
                  ・記録メディア XQDメモリーカード*(AX1はNシリーズでも可)
                  ・スロー×クイックモーション 1920x1080p NTSCモード 1〜60fps切り替え可能、PALモード1〜50fps切り替え可能*(AX1では記述なし)
                  ・ガンマカーブ 切り替え可能*(AX1では記述なし)
                  ・出力 SDI BNC×1(3G HD-SDI)* HDMI(AX1はHDMIのみ)
                  ・TC IN/OUT*(AX1は記述なし)
                  ・質量 約2.46kg (本体のみ), 約2.91kg(撮影時)

                  ややこしくなってしまいましたが、一番大きな違いは記録フォーマットです。
                  AX1が民生用と位置付けられるLong GOPのXAVC Sを採用しているのに対し、Z100は業務用フォーマットのXAVCを採用しています。
                  またAX1は、3840x2160のみに対応していましたが、Z100はこれに加え、Full 4Kと言われる4096x2160をサポートしています。
                  更に、HDでもAX1がAVCHDを採用予定であるのに対し、Z100はXAVCのHD記録を採用しています。
                  ソニーは今まで業務用HDフォーマットはMPEG2(4:2:2/50Mbps/8bit)を採用していましたが、XAVCに切り替えたと言うことです。
                  そのため、1920x1080/60P/4:2:2/10bitで223Mbpsもの記録レートになっています。

                  さて、4K記録ですが、4096x2160/60Pで最大600Mbps、30Pで300Mbpsとなっています。
                  ブラックマジックデザインの4KカメラではPreRes422/3840x2160/30Pで880Mbpsですので、これに比べるとかなり低いレートです。
                  さすがに圧縮効率の良いXAVCでも、これはかなり強力なPCでないと再生できないでしょう。
                  記録メディアも、AX1では使える廉価版のXQD Nシリーズは使えないようで、Sシリーズのみ記述されています。

                  そしてもう一つの大きな違いがHFRです。
                  Z100にはS&Qという機能があり、即ち、高速度撮影ができ、これによって美しいスローモーションが得られます。
                  例えば、ベースレートを24Pにしておき、S&Qモードにして60fpsで記録すると、60/24=2.5倍速で記録することになり、従って1/2.5倍速のスローモーションが得られるわけです。
                  しかし、残念ながら、これはHDだけの機能で、4Kモードでは対応していないようです。

                  記録フォーマット以外の違いは、SDI出力やTC IN/OUTが追加されていることがあります。
                  レンズは一見同じように見えますが、手ぶれ補正が異なっているようです。
                  AX1はアクティブレンズ方式に対して、Z100はシフトレンズ方式です。
                  両方とも光学式には変わりないのですが、アクティブレンズ方式と言うのは、最近の小型のハンディーカムで採用されている、強力手ぶれ補正です。
                  しかし、なぜかZ100は普通のシフトレンズ方式です。
                  確かにアクティブレンズ方式は問題点もあるのですが、ステディーカムに近い効果が期待できる大変有用な機能です。
                  ON/OFF機能を付けて、アクティブレンズ方式も付けておけばよかったのに、と言う気がします。
                  (仕様の書き方の違いだけで、実は付いているのかもしれませんが)

                  ところで、4Kワークフローについては、まだ不透明な部分があります。
                  編集自体は、各NLEメーカーはXAVCをサポートすると思われますが、4Kでの書き出しが確立されていません。
                  現在、まだ4Kのパッケージメディアは想定されていませんし、4KでYouTubeにアップするだけでは業務になりません。
                  従って、このカメラの具体的な使われ方は、将来の4K放送に備えて4Kで収録しておき、直近の映像はHDとして使うという使い方かもしれません。
                  いずれにしても、現在NX5が使われているような、ブライダルや放送外のビデオ制作を4Kで行うというのは、まだまだ先のことでしょう。

                  一方AX1の方は、NLEで4K編集後、XAVC SでAX1に書き戻すことができれば、とりあえず4Kブラビアで、編集された4K映像を観ることができます。
                  将来Vegasに書き戻しの機能を付けるそうですが、これが無いと折角AX1と4Kブラビアがあっても、編集された4K映像を見られないことになります。
                  Vegasに限らず、他のNLEでも早くサポートして欲しいものです。


                   

                  ソニーの民生用4KカムコーダーFDR-AX1

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                    ソニーから4K記録のできる民生用カムコーダー「FDR-AX1」が発表されました。
                    いろいろな意味で興味深いので、これについて書いてみます。

                    主な機能やスペックは、いろいろなところで紹介されていますので、ここでは4K記録のみサラッと触れておきましょう。

                    ・1/2.3"裏面照射型CMOSセンサー(総画素数約1890万画素、有効画素数約830万画素)
                    ・レンズ焦点距離 31.5-630mm(35mm換算)
                    ・F値 F1.6-3.4
                    ・ズーム 光学20倍
                    ・液晶モニター 3.5型(16:9)/約123万ドット エクストラファイン液晶
                    ・光学式手ぶれ補正
                    ・記録フォーマット(4K) XAVC S規格:MPEG4-AVC/H.264
                    ・記録画素数/フレームレート 3840×2160 60P(150Mbps)/3840×2160 30P(100Mbps)/3840×2160 30P(60Mbps)/3840×2160 24P(100Mbps)/3840×2160 24P(60Mbps)
                    ・記録メディア XQDメモリーカード(XAVC S記録専用)
                    ・本体質量(付属バッテリー込) 約2770g

                    今回は民生用に位置付けられたモデルのみ発表されました。
                    ソニーは従来からハイエンドコンシューマー機と平行して、派生機種の業務用機も発売していました。
                    DVの時はVX2000に対してPD150、HDVの時は、FX1に対してZ1、そしてAVCHDではAX2000に対してNX5がありました。
                    XAVCで記録する業務用の派生機種も、近い将来発表されるのかもしれません。

                    さて、カタチから見ますと、これは明らかにVX2000→FX1→AX2000の流れに沿ったコンセプトで、4Kでもこのカタチだ! という意思が伝わってきます。
                    ブラックマジックデザインが先日発表したUS$4,000の4Kカメラは、super35mmのラージセンサー系でした。
                    AX1は同じ単版ですが、1/2.3"と小さいサイズのセンサーを使用しています。
                    言うまでも無く、AX1は従来の汎用ビデオカメラのマーケットをターゲットにしているのに対し、ブラックマジックデザインの4Kカメラは、制作系に的を絞っています。
                    このあたり、既存マーケットを持つメーカーと、それに切り込むメーカーの戦略が見えるような気がします。

                    次にセンサーを見てみましょう。
                    総画素数約1890万画素、有効画素数約830万画素です。
                    4Kは4,000x2,000pixですから、800万画素程度あれば足りるので、有効画素数約830万画素となっているわけですが、総画素数が1890万画素というのはどういうことでしょう。
                    サイバーショット系のセンサーがこれくらいのサイズと画素数を持っていることから考えると、こちらからの流用かもしれません。
                    いずれにしてもAX1で静止画は撮れないようなので、総画素数約1890万画素はちょっと無駄になっているのかもしれません。
                    もっとも、AX1で静止画を求めるユーザーは少ないと思われますが。

                    レンズもAX2000から流用のようですが、ワイド端はAX2000が29.5mm(35mm換算)に対して、AX1が31.5mm(同)ですので、少し望遠側にシフトしているのがわかります。
                    センサーサイズは大きくなっているので、全面使用するとワイド方向にシフトするはずですが、望遠方向にシフトしているのは、有効画素数部が1/3"よりも小さくなったということでしょうか。

                    さて、記録フォーマットですが、3840×2160 60P(150Mbps)での記録が可能です。
                    素晴らしいですね。
                    ブラックマジックデザインの4KカメラもRED SCARLET-Xも4K/60Pは実現していません。
                    しかもXAVC SのLong GOP記録のおかげで、たった150Mbpsで実現しています。
                    これなら、ちょっと上級のパソコンでも編集が可能でしょう。
                    ただ、60Pで記録できるなら、当然ハイスピード撮影、即ち美しいスローモーションを期待しますが、これについては特長や仕様に書かれていません。
                    もしできないなら、かなりガッカリですが、このカメラの位置付けが制作用ではなく、汎用であることから考えると、ハイスピード記録はあまり優先されていないのかも知れません。

                    記録メディアはXQDですが、これについては、また別の機会に触れたいと思います。
                    また、XAVC Sの編集はVegasで行うことができるそうですが、これについても別の機会にしたいと思います。

                    ハイエンド民生用カムコーダーと言われるこのカテゴリーは、ソニーが長い間第一人者として君臨してきたマーケットですので、AX1はまさにこのマーケットに向けた4Kソリューションといえます。
                    あまりにAX2000を踏襲していて、もう少し4Kカムコーダーのスペシャリティーが欲しいところですが、AX2000ユーザーは難なく乗り換えることができるでしょうし、AX1はコンシューマー4Kハンディーカムコーダーの最高峰としてスタンダードな位置付けとなるでしょう。
                    そして、今までと同じように、小型で普及型のハンディーカムが将来出てくるでしょう。

                    ただ、現在はAX2000までのマーケットと異なることがあります。
                    それは、今やラージセンサーを持ったDSLR系のビデオカメラが存在することです。
                    これから低価格(50万円以下)4Kカメラはラージセンサーを持つDSLR系が主流になるのか、今まで通りコンベンショナルなスタイルのカムコーダーが主流になるのか、あるいはどちらも主流になるのか分かりませんが、コンベンショナルなカムコーダーだけで4Kカムコーダーをカバーするのは難しいと思われます。
                    NABで参考出品されたDSLRスタイルの4Kカメラが商品化されるというニュースはまだ無いようですが、こちらのアプローチを期待しているユーザーも多いのではないでしょうか。

                    JVCの4KカメラJY-HMQ30

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                      JVCから、早くも2機種目の4Kカメラ、JY-HMQ30が発表されました。
                      一言でいえば、昨年発売された4KカメラGY-HMQ10の交換レンズ版と言えます。
                      CESでもコンセプトが発表されていたので全くのサプライズではないのですが、実商品として発表されたわけです。


                      報道発表資料と商品のホームページは以下。

                      報道発表資料
                      http://www3.jvckenwood.com/press/2013/jy-hmq30.html?rss=jvc-victor

                      商品のホームページ
                      http://www3.jvckenwood.com/dvmain/jy-hmq30/index.html

                      主な特徴ですが

                      ・ニコンのFマウントを採用したレンズ交換式
                      ・フォーカス、アイリスはマニュアル操作
                      ・アイリスリングを持たないニコンレンズもカメラのリングでコントロール可能
                      ・有効画素数829万画素の1.25型CMOSセンサーを搭載
                      ・4K解像度はQFHD(3,840x2160)
                      ・4Kは60pまで記録可能(59.94p/50p/23.98p)
                      ・HD記録時は1920×1080(59.94p/59.94i/50p/50i)
                      ・4K記録はMPEG4 AVC/H.264 VBR(max144Mbps)
                      ・記録メディアはSDカード(4K記録時は4枚に同時記録)
                      ・3.5型 92万画素 16:9 タッチスクリーンLCD
                      ・0.24型26万画素16:9 LCOSカラーEVF
                      ・4K出力は4つのミニHDMI端子を使用
                      ・4K映像からHD映像をタッチスクリーンにより切り出し可能
                      ・「JVC4Kクリップマネージャー」で4つのMP4ファイルを1つに統合
                      ・「JVC4Kクリップマネージャー」はFCP用にProRes422、Edius用にHQXファイルを出力可能

                      4Kの記録方法は、先に発売されているGY-HMQ10と同じで、SDカードを4枚使うという、「え、そんなのあり!?」と他社が言ったとか言わなかったとか言われているやり方です。
                      4K記録時はVBRでmax144Mbpsと書かれていますので、1枚当たり36Mbps。
                      キヤノンの1DCのように目の玉が飛び出るほど高価なCFカードでなくても、そこそこのSDカードなら使用可能。
                      メディアのコストを考えると、なるほどこれもありかな、と思えてきます。

                      さて、HMQ30の特徴はレンズ交換ができることです。
                      しかも、ありそうで無かったニコンFマウント。
                      ニコンマウントといえば、RED Scarletもマウントが用意されていますが、こちらはキヤノンEFマウントやPLマウントも選べます。
                      しかし、このHMQ30はニコンFマウントのみ!という、驚くほど思い切りの良い仕様です。
                      ソニーのFS700のように、アダプターでいろいろなマウントに対応、という手もありますが、そんなことはどこにも書かれていません。

                      ただ、イメージセンサーが1.25型というのは、かなりガッカリです。
                      1.25型というのはマイクロフォーサーズよりも少し小さいくらいの大きさです。
                      マイクロフォーサーズを採用した動画カメラ、例えばパナソニックのGH3やブラックマジックデザインのシネマカメラがありますが、これらはマイクロフォーサーズのレンズを対象にしています。
                      しかしニコンFマウントレンズではマイクロフォーサーズはありません。
                      ニコンFマウントを対象にするなら、やはりSuper35mmかAPS-Cくらいのセンサーが欲しかったところです。

                      ニコンFマウントのFX(35mmフルサイズ対応)レンズを装着すると、2.34倍テレ側にシフトするとのことです。
                      即ち、50mmの標準レンズでも、117mmになってしまいます。
                      DX(APS-C対応)レンズでも、1.6倍シフトすることになります。
                      価格的が170万円ということから考えても、やはりSuper35mmかAPS-Cレベルのセンサーが妥当だったのではないでしょうか。

                      ところでこのカメラ、4Kは60pで記録できます。
                      Scarletは30pまでですし、1DCは24pしかできません。
                      そうすると、60p記録、24p再生させて2.5倍速記録(1/2.5スロー)ができるのか、と思いきや、HFR(High Frame Rate)機能が搭載されているとはどこにも書かれていません。
                      折角60p記録を付けたのに、本当に惜しいことです。

                      ではなぜ4K/60pなのでしょうか?
                      RED EPICなどが4Kで60p以上の記録速度をサポートしているのはHFRのためであり、4K/60pのコンテンツを作るためではありません。
                      そしてそもそも4K/60pコンテンツを編集する環境も視聴する環境も整っているとは言えません。
                      よく分かりませんが、最終的にHDにダウンコンバートすることを想定して、4Kも60pで撮っておく、ということでしょうか。

                      もう一つ不可解なのは、4Kは60p、50p、24pでしか記録できないことです。
                      1DCのように24pが限界、と言われると(言われたわけではありませんが)諦めますが、60pや50pが記録できるのだったら30pや25pはできるはずです。
                      PAL圏のユーザーは50pしか選べないし、NTSC圏の放送系ユーザーは30pも使いたいでしょう。
                      更にHD記録では60p、60i、50p、50iのみ。
                      これも、ちょっと割り切りすぎではないでしょうか。。

                      最後に4K出力は4本のHDMIで出力するのですが、この扱いも簡単ではありません。
                      編集機に入力する場合は、まず4Kクリップマネージャーなるソフト(無償でダウンロード可能)で4つのファイルをPreRes422かHQXファイルに一本化しますが、これには実時間の3倍程度の時間がかかるそうです。
                      それでなくても4K映像の書き出しには更なる時間がかかりますので、やはり編集素材の変換に時間を割くのは避けたいところです。
                      まあ、安価なメディアを使うために4分割しているのですから、あまり贅沢は言えませんが。

                      なお、HMQ10は”GY”カテゴリー、即ち同社では業務用のカテゴリーだったのですが、なぜか今回のHMQ30は”JY"カテゴリー、即ち民生用の扱いです。
                      もっとも価格は民生用ながら170万円で、しかも受注生産とのことですので、あまり大々的に売る気は伝わってきませんが。

                      最後に他社カメラとの比較も含めてHMQ30の位置付けを見ると、やはりグローバルシャッター付Super35mmセンサーを持つBlackmagic Designの4Kカメラが40万円程度で発表された後では、かなり見劣りがすると言わざるを得ません。
                      また、170万円という価格ならScarletの価格帯になりますが、ScarletよりもHMQ30を使いたいというユーザーは稀でしょう。
                      せめてBMDの4Kカメラと同じ価格レベルなら、少しは面白かったかもしれませんが。。
                      BMDやREDなどの海外勢が積極的に魅力的なカメラを出してきているのに比べ、どうも次元が違っているような気がします。
                      GY-HM650のような素晴らしいカメラを作れるメーカーですので、今後に期待したいと思います。


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