4K Blu-rayの圧縮方式はHEVCのみ?
4K対応ブルーレイディスク(以下4KBD)の規格が決まりつつあります。
Blu-ray Disc Association(BDA)という規格作成団体が策定していますが、これは4KBDがブルーレイディスクの拡張規格として決まっているからです。
DVDやブルーレイの時にあったようなフォーマット戦争は、従って、今回はありません。
というか、どちらかと言うと、各メーカーは光ディスクメディアにはあまり乗り気でないようです。
なぜなら、ブルーレイディスクは、世界的に見て、あまり普及していないからです。
ブルーレイが普及している国は、日本を含むほんの一部です。
日本でさえ、いまだにDVDが主流です。
しかし、ここに来て、やっと重い腰が上がったようです。
「やっぱり、パッケージメディアも必要じゃない?」という議論があったかどうか分かりませんが、「デジタルブリッジ」という機能と抱き合わせで、「それじゃやりますか」となったようです。
この「デジタルブリッジ」というのは、4KBD(従来のHD BDも)のリッピング、即ち、BDからHDDなどへの限定回数のコピーができる仕掛けです。
CDは、スマホなどにコピーして音楽を楽しむのと同様、映像もそのようなデバイスにコピーして楽しむようになるのでは、と考えられたようです。
ということで、めでたく4KBDの規格策定もはじまり、来年のCESで発表の予定と報じられています。
ただし、いずれにしても、メインの配布方法はダウンロードになる、というか、ダウンロードに持っていきたい、と配布者側やメーカーは考えていると思われます。
コストもかからないし、何より、顧客情報が蓄積できるからです。
従って、4KBDは、メインではなく、サブ的な配布方法の一つという位置づけなのでしょう。
さて、4KBDのコーデック(圧縮方式)はHEVC(High Efficiency Video Coding)が最有力です。
HEVCは、放送にも採用されることが決定しており、4Kの配布映像用コーデックとして統一するのが、いろいろな面で有利だからです。
HEVCは従来のAVCに比べ、2倍効率が良いとされています。
従って、同じ時間のコンテンツならファイル容量は半分になります。
良いことずくめに見えますが、その分エンコードが大変という側面があります。
ブルーレイの時もそうでした。
ノンリニア編集で、完成したタイムラインを、当時新技術であったAVCで書き出そうとすると、当時のCPUの能力では結構な時間がかかったものです。
そのため、圧縮効率は落ちるのですが、MPEG2を使うという手がありました。
BDは新しいコーデックのAVCと、従来のMPEG2の両方をサポートしたからです。
当初は、なぜか、書き出し時やオーサリング時のトラブルもMPEG2のほうが少なかったように思います。
現在では、もちろんAVC書き出しはラップトップでもできるようになりましたが、最初は大変でした。
HEVCでも、同じことが起こるのではないでしょうか。
ただでさえ大変な4Kの書き出しが、HEVCになると、更に大変なことになります。
一晩中書き出して、朝見ると「エラーが発生しました・・・」というメッセージが出ているときの虚脱感は、やった人でないと分かりません。
恐らく、ハードウエアエンコーダーやHEVCエンコーダーチップが搭載されたPCカードが発売されるのでしょうが、最初は高額です。
これでは、アマチュアや小規模クリエーターが4KBDを作成するのは、最初は結構ハードルが高いと思われます。
しかし、もし、4KBDのコーデックにAVCもサポートする、となると、状況は大きく異なります。
現在でも多くのクリエーターがYouTubeに4K動画をアップしていますが、これと同じ方法で4KBDが作成できるのです。
NLEメーカーも慌ててHEVCエンコーダーを搭載する必要はありません。
BDオーサリングソフトに、4Kモードを追加するだけで良いのです。
いずれHEVCエンコーダーが安くなったり、CPUが追い付いたら、HEVCに移行すればよいのです。
HEVCに比べ効率の悪いAVCで記録する場合、BDの容量と転送速度は大丈夫かという議論もあるかもしれません。
BDの容量は、単層で25GB、転送速度は最大36Mbpsです。
単純計算では90分程度の録画が可能です。
しかし、記録時間がこれで足りなければ、2層式を使えばよいのです。
また、転送速度は、YouTubeの映像が25Mbps/30p程度ですので、BDはそれ以上の余裕があります。
60pは難しいかもしれませんが、30pまででも大きな問題はないでしょう。
メーカーや4KBD規格策定者にとっては、それほど売れない4KBDのために、AVCまで対応するのは非効率かもしれません。
しかし、4Kコンテンツが足りないという問題解決の一助にはなります。
前回も書きましたが、もはや大手供給元から提供される、完全にプロデュースされた映像作品だけがコンテンツではありません。
それはYouTubeを見れば明白です。
AVCを4KBDに加えれば、もっと早く、多くのユーザーが4Kコンテンツを作成し、ビジネスを始めることができるでしょう。
その結果、多くの4Kコンテンツが流通し、また、コンシューマー機器や制作機器の4K化も促進され、結局はメーカーの利益につながるのではないでしょうか。
Blu-ray Disc Association(BDA)という規格作成団体が策定していますが、これは4KBDがブルーレイディスクの拡張規格として決まっているからです。
DVDやブルーレイの時にあったようなフォーマット戦争は、従って、今回はありません。
というか、どちらかと言うと、各メーカーは光ディスクメディアにはあまり乗り気でないようです。
なぜなら、ブルーレイディスクは、世界的に見て、あまり普及していないからです。
ブルーレイが普及している国は、日本を含むほんの一部です。
日本でさえ、いまだにDVDが主流です。
しかし、ここに来て、やっと重い腰が上がったようです。
「やっぱり、パッケージメディアも必要じゃない?」という議論があったかどうか分かりませんが、「デジタルブリッジ」という機能と抱き合わせで、「それじゃやりますか」となったようです。
この「デジタルブリッジ」というのは、4KBD(従来のHD BDも)のリッピング、即ち、BDからHDDなどへの限定回数のコピーができる仕掛けです。
CDは、スマホなどにコピーして音楽を楽しむのと同様、映像もそのようなデバイスにコピーして楽しむようになるのでは、と考えられたようです。
ということで、めでたく4KBDの規格策定もはじまり、来年のCESで発表の予定と報じられています。
ただし、いずれにしても、メインの配布方法はダウンロードになる、というか、ダウンロードに持っていきたい、と配布者側やメーカーは考えていると思われます。
コストもかからないし、何より、顧客情報が蓄積できるからです。
従って、4KBDは、メインではなく、サブ的な配布方法の一つという位置づけなのでしょう。
さて、4KBDのコーデック(圧縮方式)はHEVC(High Efficiency Video Coding)が最有力です。
HEVCは、放送にも採用されることが決定しており、4Kの配布映像用コーデックとして統一するのが、いろいろな面で有利だからです。
HEVCは従来のAVCに比べ、2倍効率が良いとされています。
従って、同じ時間のコンテンツならファイル容量は半分になります。
良いことずくめに見えますが、その分エンコードが大変という側面があります。
ブルーレイの時もそうでした。
ノンリニア編集で、完成したタイムラインを、当時新技術であったAVCで書き出そうとすると、当時のCPUの能力では結構な時間がかかったものです。
そのため、圧縮効率は落ちるのですが、MPEG2を使うという手がありました。
BDは新しいコーデックのAVCと、従来のMPEG2の両方をサポートしたからです。
当初は、なぜか、書き出し時やオーサリング時のトラブルもMPEG2のほうが少なかったように思います。
現在では、もちろんAVC書き出しはラップトップでもできるようになりましたが、最初は大変でした。
HEVCでも、同じことが起こるのではないでしょうか。
ただでさえ大変な4Kの書き出しが、HEVCになると、更に大変なことになります。
一晩中書き出して、朝見ると「エラーが発生しました・・・」というメッセージが出ているときの虚脱感は、やった人でないと分かりません。
恐らく、ハードウエアエンコーダーやHEVCエンコーダーチップが搭載されたPCカードが発売されるのでしょうが、最初は高額です。
これでは、アマチュアや小規模クリエーターが4KBDを作成するのは、最初は結構ハードルが高いと思われます。
しかし、もし、4KBDのコーデックにAVCもサポートする、となると、状況は大きく異なります。
現在でも多くのクリエーターがYouTubeに4K動画をアップしていますが、これと同じ方法で4KBDが作成できるのです。
NLEメーカーも慌ててHEVCエンコーダーを搭載する必要はありません。
BDオーサリングソフトに、4Kモードを追加するだけで良いのです。
いずれHEVCエンコーダーが安くなったり、CPUが追い付いたら、HEVCに移行すればよいのです。
HEVCに比べ効率の悪いAVCで記録する場合、BDの容量と転送速度は大丈夫かという議論もあるかもしれません。
BDの容量は、単層で25GB、転送速度は最大36Mbpsです。
単純計算では90分程度の録画が可能です。
しかし、記録時間がこれで足りなければ、2層式を使えばよいのです。
また、転送速度は、YouTubeの映像が25Mbps/30p程度ですので、BDはそれ以上の余裕があります。
60pは難しいかもしれませんが、30pまででも大きな問題はないでしょう。
メーカーや4KBD規格策定者にとっては、それほど売れない4KBDのために、AVCまで対応するのは非効率かもしれません。
しかし、4Kコンテンツが足りないという問題解決の一助にはなります。
前回も書きましたが、もはや大手供給元から提供される、完全にプロデュースされた映像作品だけがコンテンツではありません。
それはYouTubeを見れば明白です。
AVCを4KBDに加えれば、もっと早く、多くのユーザーが4Kコンテンツを作成し、ビジネスを始めることができるでしょう。
その結果、多くの4Kコンテンツが流通し、また、コンシューマー機器や制作機器の4K化も促進され、結局はメーカーの利益につながるのではないでしょうか。
- 2014.06.16 Monday
- 4K
- 18:53
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- by フォトキャンパー